『江戸商売図絵』をちょっと模写してみた。
市立伊丹ミュージアムの『虫展』を観に行った記事に
「庶民文化がさく裂の江戸時代は、人を楽しめるコンテンツがいっぱいですね」
というコメントをいただいて
(そういえば、江戸時代の商売のことを書いた本を持ってたなぁ)と思い出しました。
『江戸商売図絵』(三谷一馬・著/中央公論新社)
本棚にありました。
こちらの書籍は、日本画家の三谷一馬氏がさまざまな資料をもとに
江戸の庶民の生業を絵ときにしたものです。
じっくり読んでいると
江戸時代からすでにこんな商売があったのか……と思うものがあったり
また、のんき〜に商いをして暮らしてるなぁ……と羨ましく思うものもあります。
江戸時代には行ったことないけど
260年も続いたことや
私の好きな仙厓や耳鳥斎のような絵師が、あんな面白い絵を描いていたことを考えると
けっこう楽しい時代だったのではないかなぁと想像します。
面白い絵柄(商い)を私流にちょっとゆるく模写してみました。
(一部文章は本書を参考にしています。)
【石屋】
石屋は採石・石材彫刻・石垣築の三種に分けられます。
石灯籠や獅子の像を彫ったりします。
上はひき臼を作っているところ。
【唐辛子屋】
「七色唐辛子売り」と呼ばれます。(今は七味唐辛子っていいますね)
唐辛子の絵を描いたのれんをかけて、畳一畳ぐらいの台に唐辛子を入れた小箱を並べます。
紙の小袋を片手に調合中です。
【足袋屋】
明暦(1655〜58)以前は革足袋だったのが、元禄(1688〜1704)頃に
紐結びからコハゼでとめるようになったそうです。
なたのような包丁で足袋の型に布を切っています。
【小間物売り】
私の絵では判読できませんが
背負った箱には「まき紙」「おしろい」「元結」「せんかう」
手に提げた壺には「おはぐろ」と書かれています。
小間物売りはたいてい男だったので、絵のような老婆はめずらしいのだとか。
おはぐろを壺に入れて売り歩いていたというのも、ちょっと驚きます。
【時計師】
日本の時計はキリスト教とともに渡来したものです。
絵の時計は「やぐら時計」
和時計では一番古い型だそうです。
私の絵では、何かの台の上に時計を置いて作業しているように見えますが
下にやぐらが付いている時計なのです。
【半平屋】
半片とも書く。ハンペンを作ってるのですね。
駿河の料理人半平が創製したもので
「ハンペイハンペイハンペイハンペイ……ハンペン(ばんざーいばんざーい)」
となまったのだと言われているそうです。
魚の身を包丁の背で叩いて練りつぶしているところ。
周りには大きな魚を捌いていたり、油で揚げてさつま揚げを作っている人もいます。