好きなモノを話せる人はいますか?~メタモルフォーゼの縁側~
私は、日本の映画がすき!またひとつ、素敵な作品に出会いました。
「メタモルフォーゼの縁側」
今回観たのは、「メタモルフォーゼの縁側」
ストーリー
芦田愛菜さん演じる17歳のうららと宮本信子さん演じる75歳の雪が、BL(ボーイズ・ラブ)の漫画を通して、58歳差の友情を育み、成長していく物語。
エイリアンが侵略してきたり、CGを駆使し、壮大なシーンが何度もあるような映画とは真逆。
うららと雪、書店で2人が出会った事で、お互いの日常が少しづつ変わっていく、そしてその心の機微を丁寧に描いている作品です。
脇役も、それぞれ自分の場所で一生懸命に生きている人しか出てこない。わかりやすい悪役もいない。そんな映画です。
心に残ったシーン
うららは、BLが好き。でもそれをコンプレックスに感じていて、誰にも話さずバレないようにしている女子高生。
一方、雪は書店でたまたま手に取ったBLにハマる。BLに偏見はなく、純粋に作品を敬愛している。
そんな、対照的なうららと雪。
私が心に残ったシーンは、2人が出会いカフェに行くことに。うららは、誰とも話せなかったBLの話を雪としたい。だけど、周りの目が気になって話せない。
そのうららが、雪の自宅に行き、縁側で2人っきりになった時、堰を切ったようにBLの話を始める。うららがずっとコンプレックスに感じていた好きなBLの話を、雪はただただ静かに、暖かく受け入れる。そして、2人してBLへの熱い思いを語り合うというシーン。
そのシーンに、私は心動かされ、うるっとした。
私も昔、人に話すのを恥ずかしいと思い、好きなモノを好きと言なかった事がある。それを、思い切って話しても、否定されず相手から受け入れてもらえた喜び。そして「それいいよね」と分かち合える人がいる幸せ。
そんな記憶と暖かく、嬉しかった気持ちを思い出させてくれたシーンでした。
繋がりっていいな。
うららばかりではなく、雪もこの出会いによって変化していく。
75歳の雪は、夫に先立たれ一人暮らし。余生をあと何年。と指折り数えたりしながら生活を送っていた。でも、BLやうららと出会うことで、生活の中に光が差し、生きる気力が沸いてくる。
雪に出会い、勇気をもらい、一歩を踏み出すうらら。そのうららを応援することが、雪の生きがいになってくる。そんな過程も綴られています。
出会いによって、人と人との繋がりが出来る。
そして、人と人が繋がって、お互いに相乗効果をもたらしていく。
この作品は、出会いのおかげで、一方は自分を認める事が出来て、一歩を踏み出そうという気になる。また、もう一方は、その踏み出した人を応援する事で毎日が輝き出す。
こういう繋がりっていいな。と私を暖かい気持ちにさせてくれる映画でした。
余談ですが作中に光石研さんも出演されています。私、とても好き。私の好きなドラマや映画には、ご出演されている事が多いので、出演されてる作品は、私好みかなとつい思ってチェックしてます。
とても素敵な作品なので、ご興味持ってもらえたら、嬉しいです。
最後まで、お読みいただきありがとうございます。