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シュワシュワしない、アメリカのアップルサイダーのお話。

こんにちは!アメリカ在住の ミカ です。『アメリカを食べるxアメリカで食べる』マガジンをご覧いただき、ありがとうございます。

タイトルでお分かりのように、このマガジンは「食」がメイン。

・アメリカでは人気・定番なのに「あまり日本では馴染みがない食べもの」
あるいは
・日本人的胃袋の私がアメリカで好んで作る「懐かしい日本の味」
のふたつの側面と、時々脱線したトピックで綴ります。

どうぞこれからよろしくお願いします。

さて、映えある第一弾は、不動の人気なのに、いつもアップルパイの影に隠れてスポットライトがあたらない、『アップルサイダー』。

サイダーと書くと、
「え〜、三ツ矢サイダーのアップル味ってアメリカでも人気なの〜? 
やるね〜👍三ツ矢サイダー🎌」
とか思われちゃうかも。
でも、すみません…アメリカのアップルサイダーって、それとは全然別もんですねん😓

アメリカのアップルサイダーは、炭酸飲料にあらず。
温かくして飲むのが美味しい💕ホットドリンクなのです。

ところで、クリスマスまであと10日を切りました。
でも、今年はコロナでいつも通りのクリスマスが過ごせない方が多いかと思います。我が家も然り。

毎年、義父母の家で親戚が集まり、それぞれ分担を決めた『ポットラック』と呼ばれる持ち寄り形式のクリスマスディナーをみんなで食べます。

今年はもちろんみんなで集まることはできないけれど、
気分だけでもクリスマスらしく...

と、我が家が毎年担当になる品々のひとつ、
アップルサイダーを作ったわけ。

で、
アップルサイダーって何?

ってことですが、

名称未設定のデザイン (6)

アップルジュース(あるいは切ったりんごと水)に、シナモン、クローブ、ナツメグやジンジャー、そしてオレンジのスライスも加えてコトコト...煮詰めるというほどではないけれど、もともとの3割〜半分減程度になったら出来上がり! という代物です。

お鍋でコトコトやるもよし、スロークッカーやインスタントポットなどの電気調理器具でじっくりというのもアリです。

今回は、後者の方法で夜寝る前に仕込みました(←ただりんごを適当に切って、そのほかのスパイスをいれただけ)。

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朝起きると、りんごとシナモンの香りが家中に広がっていて
それだけで幸せ〜♡ な気分。このアップル&シナモンは、この時期に人気のホリデーシーズンのフレグランス・キャンドルとしてもよく見かけますが、まさに同じ香りです。

一晩中コトコトスロークッカーで煮たりんごたちは、茶色くクタクタになって見た目はよくないけど、いい仕事をしてくれてました。

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アメリカのレシピでは、たっぷりとお砂糖が入っていて、
飲むと思わず「あっっま〜〜〜〜」とうなってしまうほど。
外でオーダーするアップルサイダーは甘すぎて、私はちびちびって感じでしか飲めません。

とはいえ、郷に入っては郷に従え。
親戚たちとの持ち寄りの時は砂糖をいれますが、今回はうちの家族だけで飲むので、砂糖なしバージョンで作ってみました。

そしたら、スッキリとした淡い甘みで、日本人的な味覚の私にはこっちの方が断然好き!これならゴクゴクいけちゃうし、罪悪感もゼロ!


ところで、アップルサイダーの歴史はなかなか古いようです。ナイル河のほとりにはりんごの木があったという史実も残っているらしく、遡れば、「ジュリアス・シーザーもアップルサイダーを楽しんでいた」という記述もあるくらい歴史は古いようです。

それがヨーロッパに伝わり、16世紀になって新天地を求め、アメリカに移住してきたヨーロッパ系の移民たちによって持ち込まれたそうです。

しかし、どうやらこの時代までのアップルサイダーとは、私が作ったタイプのものとは異なり、発酵させてアルコール飲料のことだったようです。(現在でも、アルコール飲料としてビール売り場の片隅に甘めのビールとして売られています)

それがなぜ、今はアルコールなしで、たっぷりのお砂糖とスパイスを効かせた純心なドリンクになったかというと、ドイツ系移民の移住がきっかけだったとか。

アメリカ大陸には当時、ビールの原料となるホップがなかなか育たず、カンタンに栽培ができるりんごを使って、アルコールに発酵させて飲んでいたらしいです。いわば「ビールの代替品」のような位置付け。

それが、ドイツ系移民がだんだんと増えてくるにつれ、みんな「やっぱり本物のビールの方がいいよね〜」的に目移りしていきました。そして、1920年代に禁酒法が施行されたことでさらにダメ押しされたことも背景にあるようです。

でも、アルコール発酵させなくても十分においしいアップルサイダーは、今でもアメリカで愛され続けています。

「不動の人気なのに、いつもアップルパイの影に隠れてスポットライトがあたらない、アップルサイダー」

と冒頭に書いたけど、まさにその通りでしょ?

次回は、アップルサイダーのレシピとともに、クタクタになったりんごの活用法をお伝えします。

え〜、一晩中煮込んだりんごに、まだ仕事させるの? 
ってお思いかもしれませんが、はい、そうです...苦笑。

最後までお付き合いくださりありがとうございました。
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