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【🇫🇮子育て】娘がネウボラで4歳児検診を受けた

Moi! フィンランドで歯科不安の研究をしている小川美香です。

今週、娘の4歳時検診のためネウボラに行きました。ネウボラとはフィンランド親子が妊娠期から就学前まで利用する医療、保健施設です。フィンランドの福祉制度として有名なネウボラの体験記を記録してみます。

ネウボラとは?

ネウボラとは、フィンランド語で「助言の場」を意味する言葉で、フィンランド発の出産・育児支援制度またはその施設のこと。母親の妊娠期から子どもの就学前までの間、子育てに関するあらゆる相談に対応する。

https://eleminist.com/article/1437

フィンランドのネウボラ制度は母子とその家族を妊娠期から就学前までワンストップで切れ目なく支援するとして、世界的に評価が高い制度です。日本の市町村でも同様のシステムを導入しようと試みているようです。

フィンランドの妊婦は、妊娠の兆候があると、居住する自治体のネウボラに行き助産師等の専門家による検診を受けます。出産後も母子と家族はそのネウボラで子の検診や、育児相談等、包括的な支援を受けるようです。

我々親子が4歳児検診を受けるまでの流れ

我々親子は娘が3歳の時にフィンランドで暮らし始めました。通常であれば子供が出生した時にはすでにかかりつけのネウボラがあります。しかし我々は中途加入となるため、保育園から地域のネウボラの電話番号を聞き、ネウボラに電話をかけて3歳児検診の予約をとりました。フィンランドでは病気になった時の小児科の予約もネウボラを通じて行います。そのため、娘はすでに日本で3歳児検診を受けていましたが、行政に早めに繋がりたいと思い、3歳児検診を自ら予約しました。

4歳児検診の予約は自動的に行われ、予約時間とネウボラの場所が記載された手紙が届きました。予定が合わなければ、電話で予約変更も可能でした。

ネウボラの優れていると思う点に保育園との連携があります。4歳児検診の予約が決まると、保育園に知らせます。すると、子供の発育状況を記載するA4用紙3枚にわたるシートを保育士からもらいます。好きな遊びや、発語、衣服の着脱、ハサミ、食事、運動等の様子を、保護者と保育園がそれぞれ記録します。その用紙を当日ネウボラの看護師に渡すことで、看護師は家庭と保育園での様子を包括的に知ることができます。

4歳児検診の内容

3歳児検診は最寄りのネウボラでありましたが、4歳児検診は市の1次医療機関に併設されたネウボラで行われました。

ネウボラに入るとまず靴を脱ぎ、塗り絵やおもちゃが置かれている待合室で待ちます。時間が来ると担当するスタッフ(おそらく看護師でした)が迎えに来てくれます。個室に入ると中には、妊婦検診のための台と超音波装置、スタッフ用のパソコンと、親子が座る椅子が置いてあります。

通常であれば顔馴染みとなっているであろうネウボラスタッフですが、私たちは初めての訪問のため、まずは現況の確認から始まりました。その後、絵を見ながら絵の様子を説明する検査、鉛筆で指定された形が書けるか、ハサミが使えるか、指示の通り積み木が積めるか、ジャンプや片足だちができるか、食事の内容、睡眠の問題の確認、視力検査、身長体重測定がありました。

保育者への子育ての困りごとの聞き取りや、ネウボラの心理士などの専門職との連携が必要かどうか等も話し合いました。

最後に予防接種スケジュールに沿った予防接種も同じ部屋で行われました。娘は最後にシールを選びました。

入室から退室まで90分程度の所要時間でした。

感想

ネウボラの4歳児検診を通じて感じたことは、フィンランドの福祉制度につながれたという安心感でした。核家族化が進んだ現在では、育児に困りごとが起きても、誰に相談して良いか分からないことがよくあります。また、問題の認知、相談先の検討、受診、解決までの過程を全て親が責任を持ち、複数の問題を解決することは親の負担が増大します。また親の自主性に任せた場合、親が問題を認知できない場合、または適切な専門家につながることが出来なかった場合、支援が必要な親子を取りこぼすことになります。

ネウボラは、各種専門家の窓口となる担当専門職員に育児の困りごとを包括的に相談でき、家庭、保育園からの視点をもとに子の発達を親と共に見守ってくれる、親にとって心強い存在でした。

予防接種スケジュールの管理は親にとって大きな負担となりますが、ネウボラスタッフと共に確認し、検診と一緒に行えることはあまりにも合理的で感動すら覚えました。

これからもフィンランドでの暮らし、育児について記録して行く予定です。

ここまでお読みいただきありがとうございました。

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