The end of their life. 084 ボリス・ヴィアン
The end of their life. 084
ボリス・ヴィアン(Boris Vian)
(1922年6月10日-1969年6月22日)
フランスの作家、音楽家、トランペット奏者。
フランス・ヴィル=ダヴレー生まれ。
フランスでハード・ボイルド小説が流行り始め翻訳を依頼されたボリスは、「自分で書いた方が早い」と短期間で『墓に唾をかけろ(J'irai cracher sur vos tombes)』を執筆。韜晦趣味があり、黒人脱走兵を名乗って出版する。その後も前衛的な作品をボリス名義で発表するも、売れ行きに反して酷評を受け、嫌気がさしたボリスは、劇や歌などの創作を始め、パリのサン・ジェルマン・デ・プレのクラブ「タブー(Tabou)」で演奏していた。
ボリスの歌はセルジュ・レジアニ、ジュリエット・グレコ、イヴ・モンタンなど数多くのアーティストにカヴァーされた。特に『脱走兵』はアルジェリア戦争が勃発した時期に放送禁止となったが、幻の歌として愛唱され、1970年代に入ってからもヴェトナム戦争の反戦歌として多くの国に広まった。日本では、高石友也、加藤和彦、高田渡、沢田研二らに歌い継がれた。
1959年6月23日の朝、映画化された『墓に唾をかけろ』の試写会の最中に心臓発作で倒れて死亡。39歳だった。
長年心臓に欠陥を抱え、不整脈に苦しみ、トランペットを吹くことは危険なことだったが、本人は気にせず「40になる前に死ぬよ」と常々語っていた。まさにハードボイルドな人生。