ドミトリーともきんす

高野文子さんの「ドミトリーともきんす」を最近読み直した。

読み直したのには理由があって、初めてこの本を読んだのは図書館か人の家かどこかで、自分自身は所有していなかった。

読んだ後、わたしの中の「購入しようかずっと迷ってるリスト」に入ったまま、時間が経過していた。

それを先日、友人から家の片付けのため本を譲りたいという申し出があり、1冊譲り受けることが決定していたのだが、譲り受ける本とは別に、わたしが好きそうだからという理由で一緒に贈ってくれた本が、なんと「ドミトリーともきんす」だったのだ。

運命。出会いだ。やっぱ本って出会いだ。嬉しい。

そして再度読んでやっぱ好きだなぁと思った。

わたしが科学者に惹かれる理由。科学や化学、数学を美しいと思う時はあるが、難しいことは分からない。けれど、なぜか惹かれる理由が分かった気がした。

静かな感動。

科学者も芸術家も過程は違うけど、目的はやっぱり同じ。

美しいものがなぜ美しいのか、面白いものがなぜ面白いのか、知りたい、探究したい、証明したい、皆に知らせたい、とか、そういう純粋な欲求。いいでしょ、いいでしょ、面白いでしょ?って感じ。

それを忘れなかった人に、研究、創作の時間にかけた時間も比例することもあるかもだし、それは短時間でも情熱の大きさだったり、努力、集中、、、やっぱ時間=命だから、そういう大切なものと引き換えかもしれないが、無限ほどにあるこの世界の真実を、美しさのほんの一部を、こっそり教えてくれて、表現させてくれるものなのかもしれない。

そういうことを思い出させてくれる作品。


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