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冷え性

気温が低いと手や足の先が冷たくなる、布団に入っても体が冷えて寝付きが悪い、一度冷えると自力ではなかなか寒さを解消できないなどは冷え性の方によくある症状です。
冷え性の方は冬だけでなく、夏のクーラーにも弱いため一年中冷えを感じていることが多いといいます。

冷えは不快なだけでなく、免疫力の低下や血行不良、全身の凝り、血流の滞りをまねく可能性もあります。
これは体質と諦めている方も多いと思いますが、年齢が上がるほど冷え性を自覚している人の割合は高くなっていきます。



冷え性とは?


冷え性とは、本来働くべき体温調節が正常に機能していない状態で、慢性的に冷えているような感覚があることをいいます。
冷え性の方は一般的には寒さを感じないはずの温度でも、全身あるいは体の一部に冷えの症状を抱えています。

しかし冷えの感じ方は個人差があり、明確な基準がありません。
例えば、低体温という症状がありますが、低体温は実際に、体の中心体温が35度以下になった状態を指しています。これ対して冷え性は、寒いと感じる不快感が中心になっています。
もちろん冷え性の方のなかには、実際も平均的な体温より低い場合もありますが、体温は平均的あるいは高いにもかかわらず、冷えを感じている方もいるのです。

👀冷え性の原因


冷え性の主な原因のひとつは血行不良です。

血液は全身の細胞に栄養素を届け、そこでエネルギー(熱)が産生されるから、私たちは効率よく生命活動を行うことができます。
しかし血行不良になると、代謝機能(栄養素を分解・合成するはたらき)が低下し、エネルギー不足におちいるため、活動レベルが低くなるというわけです。
そんな重要な働きのある血行が悪くなると、日常的にさまざまなトラブルが症状として現れはじめます。

血行不良は血管が収縮し、血液の通り道が狭くなることで、起こりやすくなります。その血管の収縮・拡張は自律神経によって支配されています。
血行不良になるきっかけは、私たちの生活のなかにあふれており、誰にでも冷えが起きる可能性があります。

💧冷え性の原因と考えられていること



  • 冷え性の原因① 筋肉量が少ない

    1. 筋肉は運動により熱を産生するため、筋肉量が減れば、熱を産生しにくくなるため体温は下がります。
      加えて、熱は血液によって体に運ばれていきますが、筋肉が伸縮してポンプのように血液を送り出し、循環させて体を温めます。
      つまり筋肉量が少ない場合、熱をつくり出す場所も循環も少なくなり、全身が冷える傾向にあるということになります。
      女性に冷え性が多いのも、男性に比べて筋肉量が少ないからだといわれています。


  • 冷え性の原因② ホルモンバランス

    1. ホルモンのバランスが乱れると、体温調整をしている自律神経が影響を受け、血液の循環が悪くなり冷え性になりやすくなります。
      特に女性は月経、出産、閉経といったホルモンの大きな変化があります。
      なかでも閉経前後の更年期を迎えると、ホルモンのアンバランスによって冷え性などの症状が助長され、冷えがひどくなるという方が増えるようです。


  • 冷え性の原因③ 生活習慣の乱れ

    1. 乱れた生活習慣は、自律神経のバランスに悪影響を及ぼします。
      もともと人間の体温は、起床時が一番低く、活動をはじめると次第に上がり、午後2時から6時ごろが一番高くなり、その後夜間に向かって下がっていくものです。
      しかし、夜更かしや昼夜が逆転した生活、土日の朝寝坊といった生活の乱れが体内リズムに影響を与え、備わっている体温調節機能が低下している人が増えています。


  • 冷え性の原因④ ストレスの影響

    1. 強いストレスによって自律神経の働きが乱れると、体温調節がうまくいかなくなり、冷えやすくなります。
      自律神経は、リラックスしているときに優位になる「副交感神経」と、緊張状態に優位になる「交感神経」の2種類が私たちの意思とは関係なく、自動的に体の機能調節をしています。
      しかし、ストレス過多の状態が続くと交感神経優位が続きます。すると、体は緊張し続け、末梢血管(手足の血管など)も収縮し続けてしまうため、血行不良を起こすことから冷えを感じます。


  • 冷え性の原因⑤ 食生活の乱れ

    1. 食事をすると、消化ために内臓が活発に活動し、エネルギーを産生して代謝量が増えます。この代謝の増加を食事誘発性熱産生といいます。
      しかし、ダイエットなどで食事の摂取を過度に制限しているとエネルギー源の摂取不足により、この食事誘発性熱産生がうまく機能しなくなり冷え性になっている可能性があります。


🌛冷え性改善のための心がけ


まずは、血行不良を改善しましょう。
血液には熱を運んで体温を調節する働きだけでなく、体中に必要な酸素や栄養を運び、不要な老廃物を回収する働きがあります。
「冷えは万病のもと」ということわざがあるように、冷えは免疫力を低下させる要因になると考えられています。
また、新陳代謝も悪くなることから、肌荒れや便秘、疲れやすくなるといった不調にもつながります。

冷え症を改善すれば、それらの不調も改善される可能性もあります。


とにかく冷やさない


首・手首・足首の3つの首を保温する
これら「三首」には太い血管が集中して通っており、脂肪も付きにくく、気温が低いと真っ先に外気の影響を受けやすい場所です。
三首の保温に心がければ、体の冷えを防ぐこともできます。

仙骨と首を温める


仙骨と首の後ろを温めるのがおすすめです。仙骨は骨盤の中央にある逆三角形の形をした骨のことで、尾骨の上の、手で触ると硬い部分です。
自律神経の束が、脳から首、仙骨(せんこつ)に通って下肢までつながっています。自律神経が体の表面に近いところを通るのは、首の後ろと仙骨のみです。
つまり体の中でもっとも効果的に、副交感神経を刺激できる場所になります。

 湯船につかる


シャワーだけで十分に体が温まらない可能性があるため、深部の血流を促進させるにはやはり湯船につかることがおすすめです。
湯温は心地よいと感じる40℃程度、時間は10~15分、全身浴がおすすめです。
さらに末端の冷えが気になる方は、シャワーや蛇口のぬるま湯を利用して手足の温冷交代浴もおすすめです。

体を温める食事にする


旬の食材には、季節ごとに起こりやすい体調不良を整えてくれる効果があるといわれています。
体を温める食べ物の簡単な見分け方は、旬が冬、寒冷地で育っている、土の中で育っている、暖色系、水分が少ない、発酵食品などです。
反対に旬が夏、温暖地で育っている、水分が多い食べ物は体を冷やす性質があるため、寒い時期は温かくなるように調理方法を変えるなどの工夫してみてください。
また、朝食を抜くと体温が朝の低い状態から上がりにくく低体温になりがちになるためしっかり朝食もとりましょう。

呼吸法を取り入れて


ストレスを感じている時、いつのまにか呼吸は浅くなっているものです。
普段、呼吸を意識することは少ないかもしれませんが、一日に何度か意識をしてゆったりとした気持ちで、腹式呼吸を取り入れると自律神経のバランスが整いやすくなります。
忘れてしまった日は、寝る前に15分~20分リラックスして行うのがおすすめです。


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