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定量×定性の補完的アプローチ@ Insight Tokyo #1
先日Insight Tokyoでメルペイでのmaruhadaka PJという定量×定性の補完的アプローチについてお話させていただきました。資料はこちらです。
オンラインでの開催でしたが、550名ほどの方にお申し込みいただきちょっとしたカンファレンス規模に…!「UXリサーチ×データ分析」というテーマにこれだけの関心が集まるのに驚きました。当日は10分という限られた時間の中だったので概要に触れただけにはなりますが、お伝えしたかったことは以下3つになります。
①UXリサーチャーとデータアナリストの仕事って似てるのでは?
今回参加者の方はデータアナリストが多いようでしたので、UXリサーチャーという職種自体がピンとこないかも?と思い、まずはじめにメルペイのUXリサーチャーのJob Discriptionをご紹介しました。
メルペイのUXリサーチャーはお客さまの豊かな体験を実現するために本質的な問いを立て、あらゆるリサーチ手法を使いこなし鋭い洞察を得ることで事業の意思決定にコミットします。
これって「あらゆるリサーチ手法」がデータアナリストの場合はSQLや統計、機械学習などの異なる専門スキルなだけで、問いを立てて事業の意思決定にコミットするという本質は似ているのでないでしょうか?そうだとすると、もっとデータアナリストとコラボレーションしたり知見交換していけるといいなと私自身思っていますしInsight Tokyoというコミュニティが始まった所以でもあります。今副業でRettyのデータアナリストチームの皆さんとUXリサーチの取り組みをご一緒させていただいてるのですが、やはり定性も定量も分析という仕事の性質や考え方は似ているなと感じています。ちなみにその事例を紹介しているRetty平野さんの発表資料はこちらです。
また、イベント参加者の方が書いてくださったnoteが興味深かったので紹介です。私自身は分断されたビッグデータ時代以降に社会人になっているので、このような歴史があったのか!と勉強になりました。
つまり、UXリサーチとデータ分析はもともと同じもの。しかし、ビッグデータ時代に二つに分断されてしまって、それぞれ別の世界の物語として発展してしまった。それぞれに、それぞれの難しさや、研究課題や、実務課題がたくさんあって、それをこなすだけで十分成果が出たので、別れたままでも大きな問題にはならなかった。
じゃあなぜ今、UXリサーチ×データ分析なのか。
それはたぶん、新型のデータ分析の限界が見えてきたからなんじゃないか。というより、新型のデータ分析だけでできる範囲をあらかたやり尽くしてしまって、それでも課題はあって、その課題をどう解決する?って思ったときに、実は元は同じrootだったUXリサーチと再会したのではないでしょうか。だから、両者が惹かれ合うことは必然。幼い頃に別れた双子の兄弟が、大人になりお互い成長して、ある日再会したような感じで。
②定性調査の肝である「どのようなn=1を選ぶか」に定量の力が発揮される
定性調査は時間もかかるし、数たくさん実行できるわけではありません。それゆえに、どのようなn=1を選ぶかで結果が大きく左右されます。メルペイで取り組んでいるmaruhadaka PJの場合は、その時々の問いに対してどういったお客さまにお話を聞くのが良さそうかを検討し、行動ログで取るべきものとアンケートで聞くべきことを分けて考えています。そして行動ログの部分はデータアナリストに相談し、出現率を見ながらデータ定義を行っていきます。アンケートはUXリサーチャーが設計することが多いです。この組み合わせによって、どういう行動をした、どういう思考の人か?を予め絞り込み定性調査の質を上げることができます。
③定性定量の特性を理解し使いこなそう
maruhadaka PJでの4ステップをご紹介しましたが、ご注意いただきたいのがこれが王道でこの順番通りにやればバッチリ!というわけではない点です。
![スクリーンショット 2020-03-29 14.32.23](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/21779400/picture_pc_5ecbc9eb2036a2bff65e87b6e802ccd2.png?width=1200)
問いに対して必要なことを考えてカスタマイズしていく必要があり、このプロジェクトではこのように定性定量を組み合わせるに至ったというだけであって、必ずしも全てを順番に行う必要があるわけではありません。定性定量それぞれの特性や限界をよく理解し、状況に応じて取り入れたりステップを行き来することが必要です。本来定性定量というのは二項対立したりするようなものではなく、そもそもデータという意味では同じですしお互い補完しあえるものだと思います。
質問いただいたものへのご回答
当日はオンラインイベントということで参加者の反応がわからなかったのですが、ハッシュタグで感想や質問で盛り上げてくださっている方が多くいらっしゃって嬉しかったです!お礼にtwitterでできるだけ回答させていただきましたので、こちらでもご紹介します。
データの切り口や思考を明らかにする方法
切り口はプロジェクトの問い次第で変わるので、その都度データアナリストやPMと議論しながら軸を考えていきます。まずどのようなn=1を特定すべきかを考えて、そこからMUST条件WANT条件に分けて、さらにログで取るべきものと、取れないからアンケートで聞くべきものと分けていきます。#InsightTokyo https://t.co/ipKFaEne3k
— みほぞの (@mihozono) March 25, 2020
アンケート後のインタビュー対象者選定はどうしてる?
念入りに選びます!絞り込んだ上で再度行動ログに立ち返ることもありますし、アンケートに自由回答を入れておきそちらの内容を考慮して選定することもあります。#InsightTokyo https://t.co/DJzcGWDJeo
— みほぞの (@mihozono) March 25, 2020
Mixed Methodをプロジェクトにどう取り入れている?
「Mixed Methodでやるぞ!」と意気込んで導入しているというよりは、問いに対して何が必要か?を考えて、力を借りたい人に声をかけて巻き込んでいくと結果としてMixed Methodになっているなあと思います。これはどの職種であってもUXを大事にする社内文化あってこそかもしれません。#InsightTokyo https://t.co/jhfe7oksoH
— みほぞの (@mihozono) March 25, 2020
BtoBとBtoCでUXリサーチの違いはある?
これは考え方は同じでも、進め方の違いはかなりあるなと思います…!前職でBtoBプロダクトをリサーチしたことがありますが、特にリクルーティングの難易度が高く特殊な事業領域なら尚更かと思います。#InsightTokyo https://t.co/3CtK6hZCPr
— みほぞの (@mihozono) March 25, 2020
新規顧客獲得フェーズは定性調査が役立つ?
これはまさにそう思います!私自身定性リサーチがより活かせそうな新規立ち上げフェーズにチャレンジしたかったというのも転職した理由の一つでした。実際メルペイではサービスローンチまで(現在もですが)、毎週UXリサーチを積み重ねてユーザー体験の磨き込みをしています。#InsightTokyo https://t.co/WoKC8AIBmh
— みほぞの (@mihozono) March 25, 2020
なぜ大学院でエスノグラフィーをまた学ぶのか?
UXリサーチャーという専門職の道を歩むにつれて社会調査法をきちんと学び直したいなというのと、やはり文化人類学の世界の見方が好きなので自分の軸として深めたいなと思いました。海外のUXリサーチャーは修士博士が割とスタンダードだったり、博士である同僚からの刺激も大きいです。#InsightTokyo https://t.co/AsCOuY9sXE
— みほぞの (@mihozono) March 25, 2020
おすすめのインタビューの学び方
③インタビューのやり方を学ぶには以下本がオススメです
— みほぞの (@mihozono) March 25, 2020
ユーザーインタビューをはじめよう ―UXリサーチのための、「聞くこと」入門https://t.co/JFP237sjo1
マーケティング/商品企画のための ユーザーインタビューの教科書https://t.co/a91Cxlv5Lk#InsightTokyo https://t.co/8E2RqwgTNb
大学院進学理由とインタビューの学び方はまた別途noteにまとめようと思っているのでお楽しみに!
Insight Tokyoは今後もイベント開催していく予定ですので気になる方はconnpassページのメンバーになっていただければ情報見逃さないかと思います。最後に、主催者の@jnishimu さん、初開催がいきなりオンラインとなり準備など大変だったと思いますが本当に本当にお疲れさまでした!
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