故郷を捨てなければならない家族の姿を描いた映画『ベルファスト』
ダブリンに留学した後、北も南も含めてアイルランド周遊を計画していた20代。
アイルランドのアラン島でフェリーに数十秒差で乗り遅れ、北アイルランドに行けないまま帰国を余儀なくされて早十数年。
今でも北アイルランドは行ってみたいところの一つである。
そんな北アイルランドのカトリックとプロテスタントの宗教を巡る紛争時の一家族を描いた映画が『ベルファスト』である。
最近はマーベルなどの大作まで手掛ける役者であり、もはや巨匠の域に到達しつつある映画監督のケネス•ブラナーが自身の幼少期を描き、アカデミー賞脚本賞を受賞した傑作。
私のイギリスや北アイルランド、アイルランドびいきは置いておいたとしても、紛争に巻き込まれて、自分達の意思とは別に故郷を離れなければならないという話は、今のウクライナでもあり、香港にも重ねて見ることが出来る、今観なければいけない映画であると思う。
私ごとであるが、自分が通ったMBAの一年目は香港センターでのワークショップが必須であり、沢山の香港人の友人が出来た。そのMBAが始まって半年くらい経った頃、香港における反中国のデモ活躍が活発になって来たのである。
今まで生きてきて初めて催涙弾の匂いを嗅いだり、スゴイ時期に香港に来たなぁと思ったものである。
いま、MBAの時の友人達は、次々と香港を離れ別の国に移住を始めている。
映画『ベルファスト』を観て、真っ先に頭に浮かんだのは、そうした友人達のことだった。
海外移住が夢という自分にとって、想像もしていなかった故郷を捨てる苦悩。映画を通じて少しだけ分かったような気がした。
しかし、今のウクライナからの報道を観ても、地元から離れようとしない人たちがいる。これは簡単に移住を決められない理由や思いがあることを映画を通じて想像する。
映画『ベルファスト』や私が見た香港のデモ隊と警察の衝突。市井の人たちの日常を考えると、報道では伝えきれない事実と、そこに暮らす人たちの思いと生活があることが見えて来る。
もっと学ばないといけないなと考えさせられた週末でした。
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