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わたしのふたりの娘のはなし

わたしには2人の娘がいる。

泣き虫だけど強がりなお姉ちゃんと、泣き虫で甘えん坊な妹。

年子のふたりはいつも一緒に育ってきた。

長女のことを〝ちゃん〟付でわたしたち親が呼べば、「どうしてお姉ちゃんだけ!どうしてわたしにはちゃんをつけてくれないの?」と言う次女。

わがままの泣き虫次女を、わたしたち親が泣き止むまで手をかければ、黙って我慢をして待っている長女。

正反対な性格のふたりだけれど、目に入れても痛くない大切な可愛い娘たち。

長女は今年大学を卒業して晴れて社会人となり、次女は専門学校だったので一足早く社会人となっていた。

大人になっても性格はそのまま引き継いで、泣き虫だけど頑張り屋のお姉ちゃんと、泣き虫だけど意外と根性座っていて甘えん坊な妹ちゃん。

3人暮らしの我が家は、この春からご飯は各々で食材を買って作るというルールを設けた。

目に入れても痛くない娘たちのご飯を作る事は苦ではなかったけれど、やはり自立を促すのは大切なことだと、周りの友人やパートナーに促されてこの運びとなった。

初めは心配であったし、栄養が偏る食事を見ては心も痛んだ。

しかしわたしも仕事から帰るのは毎日21時頃。無理をしていたのは確かで、各々で料理をするルールにより自分が楽になったことを実感していた。

今は各々ルールを設けて良かったと思う。

それまで当たり前に冷蔵庫に入っていた食材。

当たり前に用意されていた料理は当たり前ではなく、「これはどうやって作るの?」と娘たちが興味を持ったり、半額の食材を買うわたしに「ママはケチだ!」と言っていたのに、自分で買うようになってからは見切り品も選んでいるみたいだ。休みの日に作り置きをして冷凍をしていたり、「あぁ、外食が続いちゃったから体調悪い」とか「あぁ、お弁当作らない日が続いたから出費が痛い」とか。

やっとわかってきたのだなぁと安堵している。

〝可愛い子には旅をさせろ〟


まさにこういうことなのだろう。

守ってあげるばかりでは、何もできない子になってしまう。

だから、助言をくれた友人やパートナーには感謝している。



今日仕事をしていると次女から

「ママー。今日具合悪すぎるから、ご飯作ってほしい😭スープが飲みたい。」
とLINEが入った。

「具合いがわるいのにご飯が食べられるんですか?どこがどう具合が悪いんですか?」と塩対応で返すと、

たぶんねつある!
あたまいたい!
のどいたい!
はなみず!

と、頭の悪そうな返信が返って来た。

なんなんだこいつは。とイラっともしたが、昨日も「風邪ひいたー」と言って、夕食に梨だけを食べていた。

この頭が悪そうな感じの愛嬌に、わたしはめっぽう弱いのだ。

今回だけじゃない、
「ままー!あのね」
この手口に何度もひっかかっている。

仕事で疲れているのに、野菜たっぷりトマトスープと、湯豆腐を作っていた。

「ままー、いただきます。」

「ごちそうさまー」

「ありがとう、ばいばーい」と言ってベッドに入っていった。


なんなんだこいつは。


と呆れるが、確かに顔が赤らんで熱がある様子だった。




大切な人が具合が悪い時には近くに居たいと思うし、逆の時は近くに居てほしいと思う。

だからこんな時に、娘の側に居られることは幸せなことだ。

でも、いつかはわたしでない誰かに「具合が悪いからご飯を作ってほしい」と言える人と一緒になってほしいと思う。
そして相手が具合が悪い時には、助けてあげられる娘でいてほしい。


「スープがあるから食べなさい。」
まだ帰ってこない頑張り屋のお姉ちゃんにラインをして、わたしはお風呂に入って来ようと思う。

#娘
#姉妹
#季節の変わり目
#秋
#風邪

季節の変わり目、みなさまご自愛くださいね🍵



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