見出し画像

御宿ハ晴天ナリ 伊勢海老祭り! 2024 Autumn千葉県御宿町 旅のはなしvol.2

人生は旅であり、旅もまた人生のようなものである。

季節や気候、イベント、出逢う人などによって、旅の彩られ方は千差万別だ。

御宿民宿マニアになりたいわたしは、10月にも御宿へと出向いた。

わさびみたいにツーンとした1日目はこちら↓

2日目はこの旅の目玉イベントである、おんじゅく伊勢えび祭りへ。曇り空を蹴って、日差しが照り付ける中で開催された。


宿泊した宿から会場までは歩いて20分程。
朝食を鱈腹食べた我々は、腹ごなしも兼ねて歩いた。これから伊勢海老を鱈腹食べるのだ。

満腹になった民宿の朝食 
生ハム柿を初めて食べた



祭りでは伊勢海老2尾とサザエ2個セットが4,000円という破格で売られる。
セット販売は数量限定で、購入するには整理券が必要となる。朝7時半頃から整理券をゲットするために並ぶ人もいるらしい。

我々が宿をチェックアウトしたのは8時半。〝買えたらいいね!〟くらいの気持ちで向かった。

他にも伊勢海老汁の無料配布や、伊勢海老掴み取り、伊勢海老量り売り、伊勢海老バーベキューなどとイベントは目白押しだ。

会場に着けば人々が賑わい、海老を焼く匂いが朝食を摂ったばかりなことを忘れさせる。

案の定、整理券の配布は既に終了してしまっていた。

無料味噌汁にも長蛇の列が出来ていたので、伊勢海老量り売りに並び、買った海老をバーベキュー会場で焼くことにした。

販売員のおじさんに欲しい大きさを伝えると、威勢の良い海老たちが入ったカゴを持ち上げ見繕ってくれる。

カゴの中を見定めるおじさん


他の客がどのくらいの量を買うのかを見ているだけでも楽しかった。確かキロ単価9,800円だったと思う。海老の重さなんて見当もつかない。

「セット販売って海老2尾も入って、ものすごくお得だね!」と話していると、前に並んでいた女性が「あっちの海老は小さいのよ」と教えてくれた。

もはや伊勢海老の小さいのを想像することが容易ではないくらいに、これまでそんなに伊勢海老にご縁はなかった。

「それなら大きい良いやつを食べよう。お誕生日なんだから!」

【この旅行は無類の海老好きなパートナーの誕生日祝いなのだ】

そう太っ腹になって得意気に伝えると、その女性が「もし良かったら整理券いります?うち余っちゃって。」と声をかけてくれた。

わたしは心の中で、「折角なら大きい美味しいやつをプレゼントしたいなぁ。」と思っていた。

するとパートナーは目を輝かせて「要ります!!!」そう答えた。

ズコーーーーッ。要るんかーーいっ。


「今並んでる量り売りは止めるの?」と聞くと、セットは自宅用に買うとのことだった。

無類の海老好きは、海老のためなら財布の紐が緩むようだ。

彼は無類の縁日好きでもあり、縁日に行く度に「今日は財布の紐をどこかに捨てて来たんだ!」と張り切っている。

屋台飯を食べたり、ビールを呑んだり、射的を楽しんで、毎度満足気な顔をしている。

パートナーは早々に譲って貰った整理券と、海老たちが入った発泡スチロールを引き換えに行った。

「やったー!」

そう言わんばかりの顔で箱を抱えて戻ってくると、前に並んでいた女性は居なくなっていた。

こんな魔法みたいなことってあるのか。

もし、あの時の女性が奇跡的にこの記事を見てくれたら嬉しい。その節はありがとうございました。

まるで昨日の不運は今日のためにあったんじゃないかと思うくらいラッキーな日だ。


そして、わたしたちが海老を購入する番がやってきた。

前に購入していたおじさんが、海老を見繕ってくれた後に「もっと大きいやつを頂戴!」と言うと、販売員のおじさんは「もうこれ以上大きいのは無いよ!大きいのは売れちゃった!」と少しだけムッとした口調で言った。

だからわたし達は「威勢の良い、中くらいの海老を2尾ください!」とお願いした。

謙虚に伝えたが、おじちゃんはピチピチと跳ねた元気いっぱいの海老を捕まえてくれた。

たくさんの伊勢海老


元気よすぎな伊勢海老たち


2尾で8,000円弱だった。思ったよりも安く、実は内心ホッとしていた。

「大きい良いのを買おう!」

意気揚々と言ったが、海老の重さを見当できなかったため、「もし3キロの海老が来てしまった場合は10,000円を貸してください!」とパートナーに頼んでいたのだ。

海老を3キロ買うには、相当な海老が必要みたいだ。お金を払い、海老を半分に捌いてもらってバーベキューコーナーに向かった。

さっきまで生きていた海老をこんな風に食べたのは初めてだ。焼けるまでビールを飲んで待った。

まだかなまだかなぁー


味噌は濃厚で、身はプリプリ。旨みの中に甘さがあり大変美味しかった。

サザエも美味しく、わたしは肝の苦いところが大好きだ。くるんと身が取れるのが気持ちが良い。

「せっかくだから伊勢海老味噌汁も飲みたいね」と味噌汁販売に並ぶと、もう鍋の中は汁が空になっているように見えた。

「もうお終いですか?」と聞いてみると、鍋の中の海老や汁をかき集めてくれ、1杯500円のところを「2杯で500円でいいよ」と言ってくれた。

「わぁ、ありがとうございます!」

やはりラッキーな日だ。

味噌汁は海老の旨みが溶け込んで、柔らかい優しい味だった。
「まるで海老の羽毛布団に包まれているようだね。」
某レポーターみたいな言葉が聞こえて来た。
本当にそんな感じだった。


「ご馳走様でした。」


今回も御宿で美味しいものを沢山食べられて幸せでした。ありがとうございます。

大満足にて帰路についた。

駅までの道中、セブンイレブンで彼はコーヒーを買って、わたしは飲むヨーグルトを買った。

すると目の前に古民家を改装したお洒落な店があった。「なんだろうね」と覗いてみるとカフェだった。昨日は散々探してもどこも開いていなかったのに。。

「あの、今さっきコーヒーを買っちゃったんですけど、入っても良いですか?」とお店の方に聞くと、笑いながら「どうぞどうぞ」と言ってくれた。

落ち着く畳の部屋で、我々はビールと、甘酒とバナナとベリーのスムージーを飲みながら、午後の作戦会議をした。

どうしたらこんなにお洒落な和室になるのだろう。

ビールとスムージーを飲み干すころ、上総一ノ宮駅から無料バスが出ている温泉に入って帰ることを決めた。
パートナーの幼少期に、毎年家族旅行で通っていたホテルだそうだ。

ホテルに着いて「覚えてる?」と聞くと、パートナーは「全然」と言って何も懐かしがっていなかったが、彼の過去にお邪魔できたような気がした。


温泉は塩分があり、口に入ると塩辛かった。
湯上がりはポカポカすべすべになった。


帰りの電車まで時間があったため、昨日行ったタカラ屋さんに行き、ビールを呑んで電車の時間を待った。

千葉の名物 アジフライ


「良い店だなぁ。」



旅の終わり、わたしたちはとても幸せな気分だった。



人生は旅であり、旅もまた人生のようなものである。

落ち込むことがあったとしても、また陽は上り旅は続くのだ。

次はどんな旅になるだろう。

どんな旅になったとしても、それもわたしの人生なのだ。


今回泊まった宿はこちら!
料理が美味でお風呂も大きく最高。あちらこちらに飾られている絵画も素敵だった。
トイレは水鉄砲で流すスタイルを初めて体験。

わたしは御宿民宿マニアになるんだ!!!

彼がセット購入した伊勢海老は、家でボイルしてくれて一緒に食べました。
焼きよりボイル派!!小ぶりでしたが美味しかったです。わたしは感謝の意を込めて、洗い物をしました。




☀この記事はクロサキナオさんの企画参加記事です☀
#クロサキナオの2024CrispOct
https://note.com/kurosakina0/n/n182ddaae17b9

いいなと思ったら応援しよう!