秋の香りと色と音
金木犀の香りとともに秋が運ばれ、人々の装いもすっかり秋めいてきた。
スーパーでは栗や松茸、柿にリンゴ。
秋刀魚に白子などが出まわり秋を知らせている。
化粧品コーナーを覗けば、金木犀の香りのハンドクリームやシャンプーにコロンと秋限定商品が顔を揃え、わたしはシャンプーと柔軟剤を金木犀の香りに替えることにした。
やはり本物の香りには敵わないけれど。
金木犀の甘い香りが漂う季節は、いつも子どもの頃の自分にすれ違う。
小さな花を集めては楽しげだ。
香りの記憶は、寂しい思い出を蘇らすものでなくて良かったと思うほど、金木犀の香りは強く秋がきたことを知らせてくれる。
ヒグラシが夏の終わりを知らせるみたいに。
日が落ちるのも早くなって、少し寂しくもなるけれど、それでもヒグラシが鳴く時みたいに寂しくならないのは、秋は湯気が似合うからなのかもしれない。
焼き芋の湯気に、焼秋刀魚の湯気、お風呂の湯気も恋しくなって、そんなホワホワしたものが、寂しい気持ちを包みこむのだろう。
わたしにとって秋は暖かいオレンジ色のイメージ。
最近少しだけ疲れているみたいだ。
仕事もプライベートもやらなければいけないことに追われている。
気持ちばかり焦っていて、ゆっくりオレンジ色の秋を感じることも出来ずにいた。
今日は久しぶりに何にもしないで、秋を感じることに集中したくなった。
金木犀の柔軟剤を入れて洗濯をし、洋服やタオルを秋仕様に仕立てた。
Apple musicでお気に入りに入れてあるクラシックやピアノの音楽を聴いた。秋に似合う音を探して。
リストの愛の夢、パッフェルベルのカノン、ドビュッシーの夢、エリックサティのジムノペディ。坂本龍一のAquaにhibariもやはりいつ聴いても綺麗だ。
クラシックはそんなに詳しくはないけれど、気に入ったものを聴いている。
考え事をしたいときはジムノペディの1番、朝の通勤時は主よ人の望みの喜びよをエンドレスで聴くプレイリストがあって、ここ1年位は、こちらのピアノ曲が気に入って毎日1回は聴いている。
読書をしたりnoteを書く時もクラシックを聴いていることが多い。
心が癒えてきたので、買い物にいくことにした。
今日は思い切り秋の食材を使って料理をするのだ。
スーパーに行くと新物の秋刀魚が並び、夕食のメインは秋刀魚を焼くことに決めた。
サツマイモご飯を炊いて、酒粕入りの味噌汁も作ろう。柿もサラダにして食べたい。
とたんに元気になって来た。
帰りは川沿いを散歩しようと思ったのに、早く料理がしたかったのか、そんな意識は吹っ飛んで川を通らない近道で帰っていた。
つくづく、食べることが好きなんだなと思った。
食べることは生きることなんだ。
ー本日の晩餐はこちらー
疲れが吹き飛びました。
今日も美味しいものを食べられて幸せでした。
ありがとうございます。
明日も明後日もまだまだ秋だ。
友達とモネの絵画展に行く約束をした。
芸術の秋も楽しむんだ。読書もしよう。
スポーツは、、、苦手だ。
でも、油断するとすぐ冬になってしまうかもしれない。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?