やさしい世界をつくる言葉 ”OTAGAISAMA” おたがいさま
「人様に迷惑をかけてはいけない」は本当?
11年前、長男を出産から初めての育児では、場所をとってしまうベビーカーではバスに乗らない、電車で出かけるのも人の少ない時間を選んで、と、周囲に「迷惑をかけないように」気をつけていました。
それに疑問をもったのは、二人目の子供ができてからのこと。
長男と次男、男子2人がくっつくといつもちょっとした大騒ぎになり、子どもたちを連れて出かけるたびに、結構な頻度で「うるさい」と怒られるのです。(静かにすべきお店は避けても!)
次男はちょっと癇癪持ちで、登園拒否の頃にはこんな、子どもと外にでかけると、歩く度にチクチク言われるような日もありました・・
街中にすんでいると、自ずと人の多い場所にいることが多いので、何度も何度も子どもを怒ると、「子どもがそんなに悪いのかな・・もっと本能を尊重してあげたい」と、なんだか悲しくなってきました。
そんな時、ああ・・こんな一言かけてもらえたらどんなに救われるか・・という言葉が身近にありました!
「おたがいさま」に救われる
私含め、全員が子育て中のメンバーで運営しているオンラインの活動があります。ここで普段のやりとりに使っているチャットツール(Slack)で、先日、メンバーがあるスタンプを作ってくれました。それが「おたがいさま」のスタンプです。
オール子連れメンバーのこの活動では、「人様に迷惑をかけてはいけない」は存在しません。なぜならば、全員が子育てまっただ中のこのグループでは、子供の突然の病気やアクシデントはつきもの。近年の感染症が流行する前から、特に冬には「一家全員ダウン」「保育園や学校が学級閉鎖でてんやわんや」は日常茶飯事でした。
だから、「迷惑をかけない」ように気をつけるより、自分ができる時には相手を助けて、自分が無理な時はヘルプを求める。そんな「おたがいさま」の方がスムーズに物事が進むし、何よりあたたかいのです。
多様性をつなぐ「おたがいさま」ののりしろ
ふと考えました。一歩外に出ると形見の狭い思いをするのは、時代背景もあるのではないか?
調べてみたところ、なんと0-5歳までの乳幼児の人口比率は4%と、8.9%といわれるLGBTQの方々の比率と大きく変わりません。(0-15歳以下の子ども全体でも11%) そして子どものいる世帯割合は数十年前から半減しているそうです。
実は、子どもや子育て世代はそんなマイノリティになりつつあったのです。それだから、子どもとほとんど接しないマジョリティの方々から、うるさくって「迷惑」と思われることが多いことにも納得です。
しかし、多様性の時代と言われる今、子供だけでなく、障碍、LGBTQ、その他様々な事情や個性の人たち、みんなが自分らしく生きれば生きるほど、ぶつかり合いも増えるはず。
そんな今こそ、「人様に迷惑をかけないように」とお互いが我慢するよりも、「おたがいさま」だから、ちょっぴり我慢できることなら許してしまう。どうしてもぶつかることは、どうすれば良いかお互い一緒に考える。
そんな「おたがいさま」の「のりしろ」が広めて、誰もが生きやすい未来を子ども達につなげると素敵ですね。 私たちみんなが子供の頃は、誰かの「おたがいさま」に育てられ、年老いたらまた、誰かの「おたがいさま」で生かされるのですから。
世界にOTAGAISAMA(おたがいさま)を広げる
こんな日本発のOTAGAISAMA(おたがいさま)が世界に広まると、複雑な背景から生じる国と国との争いなんかも減って、よりよい未来を子ども達につなぐことができるのではないか!
そんな想いで、子育てをきっかけで気づいたこの「おたがいさま」を広める活動を子育て世代を中心とする有志メンバーで立ち上げました!
国内外からたくさんのOTAGAISAMAストーリーを集めて、世界中にOTAGAISAMA(おたがいさま)を広める「OTAGAISAMA STORY AWARD」です。
初めたばかりの活動ですが、賛同してくださる方が増えて形が見えてきました。
子連れの日®(5月20日)には社会活動家の石山アンジュ氏、共感コミュニティ通貨eumoの創業者新井和宏氏をゲストに、表彰式(オンラインイベント)を実施、その他にも、さまざまなオンラインイベントや、活動発祥の地である京都でのリアルイベントを企画中です。
おたがいさま(OTAGAISAMA)を感じた ストーリーを4月後半まで広く募集しておりますので、ぜひ以下よりご応募ください!
(本文中のデータ出所)児童のいる世帯:2019年 国民生活基礎調査、こどもの割合 2021年4月1日現在総務省統計局、LGBTQ+層の割合8.9% 電通ダイバーシティラボ2020.10
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