江戸川Qの「独想感想文」#8
日本という国を見つめ直すとやはりわからないことが多いと感じます。
それは現代の国土においてその内容な合理的に思想も文化も画一化が進みながらも、人が住まう何処かで健在する「差異」があるからかもしれません。
もし、その「差異」があるとすればそれはどこから来ているのだろう。
その「差異」こそ、地域で連綿と育まれた「俗」であり、それを見つめれば人間が其処で確かに生きてきた手形を発見するに違いないと思います。
長い歴史の中のその「差異」を自ずから学ぼうとすれば「民俗学」という学問にたどり着くことでしょう。
ではその学問の入り口を覗こうとすれば、それは誰か。
折口信夫という学者。
彼は柳田國男と重なる時代を生きてはいますが、しかしながら同一の学問の中でもまたより俯瞰的にまたある一定の直感的な芸術的センスでこの「俗」を捉えています。
本作においては、そんな彼を毛嫌う学者もいると書かれていますが、それを成る程とも理解しつつも、学問の発展における多角的視野に立てば彼の学問的センスは大車輪のような重厚な進歩力と力強さを感じないではいられません。
本作は彼が述べた非常に様々な「俗」の定説をコンパクトに纒め、読みやすく、また分かりやすい民俗学へのススメとも言える著作です。
あなたが日常の中で冒頭に書いた「差異」を感じたら、是非民俗学への扉を開けてみてはいかがでしょうか?
もしあなたがこの本を気になったら、
そんなあなたにこの一冊を。
そして
あなたが一冊の本を読み終えたら、あなただけの「独創感想文」を、是非。
文:江戸川Q
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