チベット式の、厄除け儀軌
本日はチベット暦十二月二十九日です。この日は「グトル」といって、1年間の厄を祓う、除災・呪詛返しの法要が執り行なわれます。
来るべき新年(今年は2月12日)に向けて、大晦日の前の日の今日、寺院では憤怒尊をかたどった巨大な依代が用意され、厄を払うのです。
気吹乃宮としてもこの1ヶ月は厄除け・除災に関する儀軌や供養を中心に行なってきました。今日も引き続き除災儀軌を執り行なっております。
この日にちなんで、今回はチベット仏教における簡単な「『般若心経』除災儀軌」を公開します。
これによりサポーターの皆さまご自身でも、仏教式の祓をすることができるでしょう。チベットの寺院では毎日のように唱えられている経文ですので、ご自身の毎日の勤行に加えていただいてかまいません。唱える時間は特に規定がないですが、寺院では夕方に唱えます。夜でもいいでしょう。
除災・厄除けといえばグル・リンポチェに祈願するのが最良ではありますが、密教的なアプローチになります。
顕教的な除災として『般若心経』も、同じくポピュラーです。
般若の智慧をもって厄を払うというのが、大乗仏教的です。
この儀軌は『般若心経』がメインになりますので、皆さまにもなじみ深いかと思います。そして般若波羅蜜(究極的な智慧)を象徴する女神、般若波羅蜜多仏母への祈りが続きます。
般若仏母(上の写真)とは大乗仏教徒が目指す甚深なる智慧(般若波羅蜜)の象徴なのですが、なぜ般若仏母への祈りが除災になるのかというと、帝釈天がかつてこれを唱えたところ、魔王や魔軍・敵対者などすべてが退散した、という逸話からきています。「般若心経」を唱えることに重要な意味があるのは、このためでもあります。
今回の経文は顕教の部分として公開されている部分でもありますし、「般若心経」を日本人が普段から唱えているように、この経文を唱えればいいでしょう(とはいえ師からの伝授があればより加持がこもることは、いうまでもありません)。
チベット語はカタカナにしていますが、漢字のほうが読みやすい/意味が分かりやすければ、日本語の部分を読んでかまいません。意味を汲みながら唱えるほうが、重要です。同様の理由で「般若心経」などもチベット語ではなく、皆さまになじみの深い漢訳を転用しました。
今回は少し長いので「記事購入」という形をとらせていただきます。厄除けの経文はご自身で唱えることができますし、ご自身で執り行なうことでより大きな利益があることでしょう。
先週に立春を迎え、運勢学上の新年に入りました。さらに旧暦の新年(春節、ロサル)を迎えるにあたり、皆さまの厄や悪縁・障礙が祓われることで、すがすがしい1年になることをお祈りいたします。
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