ジョン王 大阪楽の1日
朝になり、ようやく甥っ子とご対面。用意してきたポケモンのチョコを「もらってくれるかなあ?」と聞いたら、それまでの緊張とハニカミが一瞬だけ消えて、ふにゃ、っと笑顔になり「(もらってあげても)いいよ。」と。
あぁぁぁぁぁ、本当に可愛い。いとおしい。小さい子って、自分で決めるのとか、許可するのって、好きだよね。あー、かわいいったら。
図工で作ったという抹茶パフェが、グレードが素晴らしくてうっとり。美的センスとか創造力とかって、その子のものでもあるし、過ごしてきた時間でもあるなあ、とおもう。思わず『あなたってしあわせね』と言ってしまう。
マチネがあるので、早々におうちをあとにして、また駅でコインロッカー探し。空きロッカー検索をして、二カ所めでようやく緑の表示のものを見つけるも、まさかのSuicaのチャージが700円に満たなかった(´༎ຶོρ༎ຶོ`)大荷物抱えてみどりの窓口まで走り、慌てて戻るも、黒山の人と荷物だかり。。なんか、でもスーツケースが入らなくて右往左往してる女子たちがいたから、もし入らなかったら、入れさせてもらおうと同じようなことを考えているわたしたち全員にむかって、その女子が一喝!
「ここ、使わないってことは、ありえないんで!」
強い_:(´ཀ`」 ∠):
あともう1カ所緑表示があって、開けると黒のスーツケース入ってるんだけど、鍵をかけてない。緑だから、何度も空いてると騙されて、開けるんだけど、それで声かけてくる人もいない。お行儀よく、私はそれであきらめてしまったけれど、後から考えたら、あれってわたしと同じようにチャージできてなくて、窓口行った人が、荷物人質に置きっぱなしにしていただけだったのでは。
荷物を外に出されて、違う人に入れられても、文句言う筋合いはなかった、ってことよね、、
大阪に旅行する時は、ごく早い時間でないとコインロッカーに空きはない。全てがSuicaで前払いのロッカーなので、あらかじめチャージを万全にしておくこと!
無駄に疲れてしまって、ここで体力貯金を使ってしまったことで、まさかの千秋楽の1幕で、数秒ずつ何回もトリップしてしまう羽目になってしまった。嗚呼、本当にやらかした。
いよいよ大阪楽。わたしの残りのチケットは、4枚となる。真ん中を過ぎて、本当の終わりが近づいてくることを意識してしまう。
大阪、下手後方の扉から。あれは、迷いこんできた現代の若者、であって、小栗旬ではない、と私は思っているので、あそこで拍手で迎えるのは違う、とわたしは思っているので、敢えてしない方を選んだ。
前楽でコンスタンスから飛び蹴りされたのを根に持っていたのか、逆手に取ることを最初から決めていたであろう鋼太郎さんは、コンスタンスに飛び蹴り。一瞬驚いたようなコンスタンスが、そのあとつづけてジョン王に飛び蹴り。
またこれ見られた、という喜び3割、
ここ、何のシーンだっけ?という戸惑い7割。
努くんの頬を張るシーン。
2回も3回も、っていうのは、なんだか笑えなくなってしまった。(昨日は笑ってたのにね、わたし)
たしかに頬を張られた後の努くんの受けの芝居は素晴らしいのだけれど、昨日はそれが見られて嬉しかったし、笑ったんだけど、今日もそれがあって、しかもいいパァぁぁぁぁぁぁんっていう容赦のなさの張り手で、それで観客も笑うから、そのあとの台詞が頭に入ってこなくなってしまう。いつもと違うところを探すのは観劇の醍醐味だし、日々進化や変化するところが最大の魅力ではあるのだが、わたしはシェイクスピアを観にきたのであって、大阪にどつき漫才を観に来たわけでは、ない。
でも、昨日はベルトを振り回す時にバックル側を持っていた鋼太郎さんが、今日は痛いバックル側が当たるようにしていて、いやいやいやいや、さすがにそれは勘弁を、の努くんの受け方は最高に面白かった。
客席のダイレクトな反応は、舞台人にとって一種麻薬のようなものだとは思う。だけど、どこにそのラインを引くか、どこまで遊ぶか、どこまでは守るか、難しいところだけど、個人的には、今回はちょっと逸脱し過ぎているかな、と思っている。さて、さいたまでは、どうなるか。
今日最大の感激は、ラストの努くんだった。前楽は旬くんをかぶりつきで見ていたので、気付かなかったのだが、銃を旬くんに照準を当てている努くんに対して、旬くんが剣を構えた瞬間、もう本当にその瞬間、刹那、努くんの前に出している方の左足がほんのわずか、さらに前に出たのだ。ぶわっと鳥肌が立った。この努くんの解釈‼︎って思った。
相手の中に反撃の意志あり、と攻撃側が見做したら、膠着状態でも緊張状態でも、少しだとしてもさらに深く攻撃の手が伸びてきて、両者の距離は縮まり、さらなる緊張を高め、危険を誘発する。
それらのことを、瞬時にして伝わるように、ごくごくわずかに足を、前に。。。
高橋努くん、本当に凄い役者だ、、、
ここは、鋼太郎さんの演出なのか、役者側の判断なのか、話し合いだったのか、気になるところだ。
万雷の拍手👏👏👏
大阪楽だし、なんとか、少しでもアンコールに応えてくれないか、と会場のみなさまもコクーンよりも長くしつこく執拗に、客電ついても、お帰りのアナウンスが2回かかっても、それでも手をたたき続けたけれど、やはり鋼太郎さんすら出てこず。
まあ、演出的に仕方ない、と納得は一応している。だんだん人形の落下に慣れてくるわたしたち観客は、遺体がたくさん転がっていても気にならなくなる災害や戦争時の一般人のようでもある。
武装を解いていく旬くんに筒先はずっと向けられていたけれど、向かってこない人に弾丸は、最後まで飛んでくることは、ない。
なんで専守防衛のラインを踏み越えようとしてるんだ、日本、、、
「この国がこの国に忠実であるかぎり、、、」
どう贔屓目に見ても、投票にすら行かない国民が過半数で、政治家が私利私慾でしか動かないこの国は、国に対して忠実であるとは、言えない。悔しい。もどかしい。
フォークソングは反戦、というのは、リアルタイムで体感していない私には、頭の中だけの知識だったから、シェイクスピアとうまく結びつかなかったのだけど、これこそが反戦を唱える鋼太郎さんの演出、ということなのだと今は思う。
舞台のあとは、旬友さんたちとお茶会。
蜷川さんに鍛えられた審美眼と批評眼をお持ちの方々なので、旬くんが出ているだけでは満足しない、許さない( ̄ー ̄)
彼を溺愛しつつ、舞台の物足りないところ、違和感、感覚的な不協和音を感じるところ、疑問に思うことなどを互いに大いに語り、また大いに頷きまくる。濃密な時間。
新幹線の時間を鑑みてお店をあとにして、新大阪駅へ。重い荷物は持てないので、お土産は必要最小限にとどめる。
帰りの食事は、こちら。
金曜朝から仕事して、そのまま新幹線飛び乗って、、からの2泊3日で、ずっと交感神経だけが昂りっぱなしだった。自宅について、ミニョンのおなかを吸いながら、ふすーふすーという彼女の鼻息を聞くことで、ようやくほっと一息つけた。
佳き佳き( ᵘ ᵕ ᵘ ⁎