2023年12月の記事一覧
今年の三冊(よそから転載)
わたしはもう10年以上、ある小規模な読書会に参加しています。
最近は参加者が減ってしまったのですが、私が昔試しに参加した他のいくつかの読書会と違って、異常に向上心にあふれているわけでもなく、だからといって読書そのものに興味がないわけでもなく、ちょうどよい空気感が気に入っています。
その読書会の参加者の方の一人が、毎年「今年の三冊」という企画を取りまとめてくださっています。これは、会員それぞれがその
ルーゴン=マッカール叢書と挿絵の話
「ルーゴン=マッカール」叢書をご存じですか?
19世紀を代表するフランスの作家エミール・ゾラが、ナポレオン3世の統治下(第二帝政)におけるすべての階層の市民を描くことを目指して、23年間をかけて発表した全20作のシリーズです。有名な「居酒屋」「ナナ」もこのシリーズの中の作品です。
当時のパリは今の日本と比べ物にならないほど貧富の差が激しく、最上層に位置する大臣、投機家から最下層の娼婦、炭鉱夫の間