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わたしの意識レベルを上げてくれた本(読書感想)

死について、考えることを避けたい気もするけれど、やっぱり気になる。

田坂広志さんの本はこれまで何冊か読んできたけれど、「死は存在しないー最先端量子科学が示す新たな仮説ー」を読んでみました。


死後の世界が存在する可能性を示唆するのは、「ゼロ・ポイント・フィールド仮説」
この言葉、これまで量子力学の本をいくつか読んで基礎知識があったので、とっつきやすかったけれど、初めて聞くと「なんじゃそれ」ですよね。

ゼロ・ポイント・フィールド仮説
宇宙に普遍的に存在する「量子真空」の中に「ゼロ・ポイント・フィールド」と呼ばれる場があり、この場に、この宇宙の出来事のすべての情報が、「波動情報」として「ホログラム原理」で記録されているという仮説

①「量子真空」から生まれた、この宇宙の森羅万象の真の姿は「物質」ではなく、「波動」である。
②したがって、この宇宙で生じたすべての出来事は、我々の肉体や意識の活動も含め、すべて「波動」に他ならない。
③そして、この現実世界で生じた「波動」の軌跡は、量子真空内の「ゼロ・ポイント・フィールド」に、「波動」の軌跡としてすべて記録されている。

これが意味するのは、「波動情報」という観点から見るならば、ゼロ・ポイント・フィールド内に「現実世界」と全く同じ世界が存在している。

死は存在しない

この世界に「物質」は存在しない、すべては「波動」である

私は、パソコンを触っていて、固さを感じるからこれは「物質」だと認識していますが、物質と思っているものは、量子力学の目に見えないミクロの世界までいくと、すべて「エネルギー」であり「波動」らしい。
この分野の知識がないと、にわかには信じられないですが、それは事実らしいです^^

現実自己と深層自己

もしゼロ・ポイント・フィールドが現実世界で起こるすべての出来事を記憶しているならば、波動情報という観点から見たとき、ゼロ・ポイント・フィールド内に、「現実世界」と同じ世界「深層世界」が存在していることになると著者は言います。

量子真空の中にある「ゼロ・ポイント・フィールド」は、「現実世界」で起こる出来事を刻々と記憶している、「波動情報」という観点から見れば、ゼロ・ポイント・フィールド内には、「現実世界」を生きている「現実自己」に対して、「深層世界」を生きている「深層自己」と呼ぶべきものが存在しているとも言える。
そして、我々の意識は、「現実世界」の「現実自己」が死を迎えた後、このゼロ・ポイント・フィールド内の「深層自己」に中心を移し生き続ける。

死は存在しない

前世の記憶、死者との交信、臨死体験といった不思議な事象も、すべての出来事を記憶しているゼロ・ポイント・フィールドとつながることにより起こる、という考え方も筋が通っていると思いました。


「自我」を鎮める

私が一番印象的だったのは、以下の部分。

「自我」は、死に対する恐怖、生存を脅かされることへの不安から生まれ、闘争心競争心自他の分離自他の比較承認欲求自尊心などの意識を生み出している。それが、敗北や挫折、孤独や劣等感、渇望感や自己否定などを通じて苦しみを生み出している。
生存本能に根差した自我は、現実世界では決してなくならない。
しかし、肉体の死を迎えた後は、我々の意識の中の自我は、死の恐怖や生存の不安から解放され、その存在意義を失い、自然に消えていく。 「自我」という「苦しみの根源」が消え去る。

死は存在しない

「自我」があるからこそ、自他の間に境界線が生まれて苦しみが生じるのでしょう。自我意識が強ければ強いほど苦しみを感じやすくなるように思います。
だから、現実世界を楽に生きていくためには、私は、「私が」「私の」という執着をなるべく手放し、あるがままにいる状態になる、手法としてはマインドフルネス瞑想などが効果的なのだろうなと思いました。

自我がなくなると「私」はどうなるのか、そして、「真の私」とは何なのか、ご興味あれば本書を読んでいただくとして、自分自身を「個としての私」という枠で切り離してとらえるのではなく、全体の一部、全一性の意識でとらえることで死の恐怖から救われる気がします。


まとめ

私は、思考優先で基本的に科学的に根拠がないことはあまり信じないタイプです。でも、権威バイアスがかかってるのかもしれませんが、そして、同じことをスピリチュアルに語られると信じ難いのですが、科学を深く学んだ著者による量子力学に基づく仮説ということで、素直に、書いている内容に納得しました。

最先端科学の知見に基づく仮説と、古今東西の宗教で言われていることは、不思議と一致している部分が多いようですね。
宗教家は、深い祈りなどを通じて直観的に真理を感じ取っているのかもしれないと思いました。

というのも、読後に神社に散歩に行きましたが、自然の中にいるときは、意識レベルが上がってる感覚、草木や自然への感じ方が今までと違った感覚がありました。でも、その後、スーパーに立ち寄ると一気に頭の中に雑音が入ってきて現実世界に引き戻されます。昔の人は、こういった多くの情報にさらされることも少なく、いまより直観でなにか降りてくる、ようなことが多かったのかなと思いました。

知りたいことに踏み込んでいく内容で、人類の最大の謎である死後の世界について科学的な視点から解明を試みた著者の姿勢に勇敢さを感じました。

私の中では、この本との出会いは、意識の転換点になるような出会いでした。




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