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「結婚式」に行けない、それらしい理由があればいいのに。
高校時代のお友達、みうから結婚式の招待状が届いた。
迷うことなく、回答は「出席」。
私たちは、高校の3年間、同じテニス部員として多くの時間を共に過ごした。みうは中学生の頃からちょっとした有名人で、テニスの腕前は全国大会レベル、それでいて飾らない彼女の性格と笑顔に数多くの隠れファンがいた。私もそのひとりなのは間違いない。
そんな大好きなみう様のウエディングドレス姿が拝めるんだから、楽しみで仕方ない!
はずなのだ。
でも、、、、
本当のことを言うと、、
行きたい気持ちと同じくらいか、それ以上に、行けない正当な理由があればいいのにって思っている。
例えば、
「夫の転勤で海外に住んでいて、日本に帰れそうにない。」とか。
「来月から月に滞在するから、その日は地球には居ないの。」とか。
「太りすぎて着れるドレスがないから、オンラインで参加ってできるのかな。」とか。
今のところ、どの予定にもならなさそうなので、大人しく出席をする、けどね。
ーーー
私たち夫婦は結婚式を挙げなかった。
私の希望で。
「結婚式を挙げないこと」、
これは、私の結婚する上で、相手に求める条件のひとつでもあった。
夫は、「結婚式は女性のためのものだから、midoriが挙げたくないんだったら、挙げなくていいんだよ。」と言ってくれた。夫は仏である。
幸い、結婚した時期がコロナ禍だったこともあり、結婚式をしなかったり、時期をずらすカップルも多かったので、私たちが結婚式を挙げない理由について、深く言及してくる者もいなかった。
逆に、結婚式を挙げた夫婦に、なぜ結婚式を挙げたのか聞いてみると、
大体が、
「両親のため」
と回答したように記憶している。
そういうものなのかなと思った。
私には、結婚式に来てもらいたい親族はいない。
親族はいるのだが、もう離散している。
同居していた祖父母は既に他界し、両親は離婚、唯一のきょうだいの姉とは諸事情により縁を切った。私の結婚を機に、母とのみ連絡をとっている。
こんな状況で結婚式を挙げたいと思えるだろうか。
いや、思えない。少なくとも、私は思えなかった。
もし、式を挙げてくれと結婚相手に頼まれでもしていたら、私は迷わず婚約破棄をしていただろう。
それぐらい、結婚式を挙げることが嫌だった。
こういった話をすると、
「親を大切にしなさい」とか
「せっかくのきょうだいなんだから」とか
言ってくるお節介モンスターが必ず、どこにでも、出没する。
ちょっと昔だったら、場の空気を乱さないようにと、
「そうかもしれないですね〜」と適当に相槌を打ってその場を凌いでいた。
でも、今、もしそんなモンスターが再び現れようものなら、
「お節介モンスター!悪霊退散!」
と言ってやれるのに、と思う。
歳を重ねて、強くなりました。
ーーー
そういった個人の事情もあり、人の結婚式に参加すると、どうしても興醒めする気持ちと、ひとり戦わなくてはならなくなる。
正直、楽しくない、のだ。
でも、今回断るそれらしい理由もないし、
大好きな友人のドレス姿はこの目に焼き付けたい、、、
みう、出席するよ。
結婚式、楽しみにしてるね。
次は、歳を重ねた分だけ、楽しめるようになりたいな。