ごめんなさい
私には自責の念がある
祖父の代からの町工場を継ぐことが出来なかった事
実家を失った事
この事は、私が、死んだら祖父、祖母に・・・・・
いや、あえて言わせてもらうと、おじいちゃんとおばあちゃんに謝りたい
戦後の焼け野原から、何も無い状況下で『ゼロ』から立ち上げた『町工場』
そして、一から建てた『家』を『土地』を
私は、失った、守れなかったのだ
私だけの責任では無いのかも知れないが
間違いなく最後の引き金を引いたのは、私だ
意図的に終わらせたのである
両親を説得するには時間がかかった
このまま何もせずに、ズルズルと時間だけが進んでしまったら
家と土地以外に両親も守れなくなってしまう
私たちを育ててくれた『仕事』『家』『土地』
全て失うのは、非常に辛い
両親にも大変申し訳ないと思っている
でも、誰かが、決断をして実行していなければ両親も、私も
『今』が存在していない
ことになっていたかも知れない
両親も、私も、妹も、もう帰る実家は存在しない
思い出の記憶の中には
昔のままの『家』が存在する
おじちゃんとおばあちゃん、父さん、母さん、妹がいる
油の匂いに、ドリルで穴を開ける音が聞こえる
職人さん達が一生懸命に働いている姿が目に浮かぶ
目をつぶれば、いつでも、頭の中で復活させることは出来る
全て失った後も、夢に何度も昔の情景が出てきた
もう、ないハズとわかっているのに・・・・・
そして、また、自分を責めてしまう
もっと、違う方法があったのでは?
もっと、誰かに頼れば良かったのでは?
そもそも、自分が独立してチャレンジしなければこんな事に・・・
自責の念に押し潰されそうになる
あの時の決断は間違っていなかったハズだ・・・
何度も、何度も、思い返した
過去は変えられないとわかっているのに
考えてしまう
疲れたよ、私があの世に行ったら、あやまる
だからさ
おじいちゃん、おばあちゃん、許して欲しい
それまでは
『今』を頑張るよ
もう、帰る実家はないのだ!
と自分に言い聞かせて
自分を鼓舞するんだ!
あの世で、おじいちゃんとおばあちゃんにキチンと言えるように
『ごめんなさい』・・・・・
せっかく建てた『家』を・・・・
ゼロから作った『町工場』を・・・・
『土地』を・・・・
『本当にごめんなさい、守れなくて』
許してもらえるように・・・・・