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春の風が吹いている

【春風】春の日に吹く穏やかな風。
          (goo辞書より引用)

今年は、ここ岩手県でも入学式シーズンには桜が咲き、中には半袖Tシャツに身を包む人もちらほら見かける。

春。雪が溶け、花が咲き、就職、進学など新生活の幕開けの季節。
お気に入りのブラウスを1枚で着ることができる暖かさ。
路面の雪がいつしか消え、ブーツではなくスニーカーで颯爽と歩くことができる。
新クラスで周りと打ち解けるか不安な反面、新たに仲間ができる新鮮な気持ち。
たとえ、肌寒くても、明るい色のアイシャドウで化粧したり、パステルカラーのマニキュア塗ってみたり、予定がない休日にとりあえず外に出かけてみたくなったり、春というだけで、こうも前向きになれるのか。

私自身、転職をしたことにより、生活スタイルがガラッと変わった。
慣れない業務や環境に戸惑いながら、短い春の過ごし方に思いを馳せる。

春風が吹く、ときくと、連想するのはどのような印象だろうか。
決して、真冬の殴るような、大粒の雪による暴風ではなく、モンシロチョウやたんぽぽの綿毛と共に優しく吹くそよ風をイメージするだろう。

春は低気圧に伴う南風や春特有の冷たい東風などの風が吹きますが、暖かくのどかな春の日に肌に感じる程度の弱い風を『春風』といいます。

お天気.com より

肌に突き刺さる冷たい風より、のどかで穏やかな風。
そして、そのような気持ちにさせてくれる風。

サニーデイサービスの『春の風』は、自分を奮い立たせるときに聴く一曲だ。
こちらの歌詞は『新時代』『虹のかけら』という歌詞があり、どちらも希望を表している。
『ぼく』は『犬のように吠える分際で 夢ばっかり見てる』が『虹のカケラを探している』つまり薄暗い現実を彷徨いながら、希望を抱いて生きているのだ。
そして、サビにもあるように『春の風が吹いている』。
ワクワクしたり、キラキラしたりすることばかりでない人生だが、些細でも希望を持てることがあるだけで、春風は優しく吹いてくれる。
何かを成し遂げた、好きな人と結ばれた、昇進した、、、そんな大掛かりな幸せではなくとも、長いトンネルから抜け出せそうな、希望の第一歩を踏み出す瞬間を、春風にたとえているのだ。

岩手の冬は長い。
だからこそ、春は貴重だ。
春の優しい風を浴びながら、長い長い冬によく耐えた、偉いぞ!と自分を、周りを褒めながら青空の中駆け抜けたい。

IKEAで購入した、スチールの棚は案の定1人の力では組み立てられず、彼に手伝って(ほとんど彼が完成させた)もらった。
新しい棚に、溜まってきた本や雑誌を整理し、掃除機をかけたら、部屋には新しい『春の風』が吹いていた。
H&Mで運命的な出会いを果たした赤のパンツは、ボルドーでも朱色でもなく、赤を代表するかのような赤で色味がお気に入りな上、値引きで2000円以下で手に入った。
せっかちが裏目に出て、生憎裾は引きずるほど長かったが(ウエストはぴったり。海外サイズは難しい)
返品せずお直しに出す予定だ。
チューリップのような赤を纏う私にも、『春の風』は吹くだろう。早く履きたいな。

忘れてはいけない。季節には順番があり、吹雪の冬が終えた後は、暖かな春が訪れるのだ。

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