第5回 野生納豆菌の「つと(わらづと)納豆」と納豆菌(前編)
生姜の発酵試験が終わらないので、今回は別のお話をお届けします。
市販されている納豆は、多くの場合、「宮城野納豆菌」「高橋菌」「成瀬菌」という3つの主要な納豆菌株のいずれかをスターターとして使用して作られています。
これらの菌株は長い歴史と安定した品質を持ち、発酵食品としての納豆の信頼性を支えています。
納豆菌について知ると、その奥深さに驚かされること間違いありません。
※納豆など発酵食品の製造は、末尾の免責事項をよく読んで、自己責任で行なってください。
市販の納豆を支える「宮城野納豆菌」「高橋菌」「成瀬菌」
市販の納豆に使われている納豆菌は、基本的に3つの菌株に由来しています。これらの菌株は、発酵の安定性や風味の良さ、性質の変化が少ないことが特徴です。
近年、一部のメーカーでは自社で開発した菌株を用いている場合もありますが、全国的にはこれら3菌株が主流です。
納豆の製造には、純粋培養された「種菌」が必要で、この種菌を販売しているメーカーは国内に数社しかありません。そのため、納豆メーカーが選ぶ菌株は必然的に限られているのです。
こうした背景から、長年の研究と技術で培われたこれらの菌株が、私たちの食卓に安定した納豆を届けてくれています。
優れた種菌と選抜の努力
微生物は世代交代が早く、性質が変わりやすいことが知られています。しかし、「宮城野納豆菌」「高橋菌」「成瀬菌」は100年以上にわたる安定した品質を誇ります。
異臭が出たり、粘りが弱かったりといった課題を乗り越え、これらの菌株は納豆特有の風味と粘りを実現してきました。
この背景には、先人たちが多くの菌株を選抜してきた努力と、変異を防ぐための技術的な工夫があります。まさに納豆作りの歴史は、科学と職人技の結晶です。
家庭で楽しむ「野生納豆菌つと納豆」作り
家庭で「野生納豆菌」による「つと(わらづと)納豆」を作ることもできます。
日本産の稲藁1本に、ほぼ1000万個の納豆菌が芽胞の状態で付着していると言われています。
以下は基本的で簡便な手順ですが、安全でほぼ確実に作れます:
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