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なぜ、日本の報道自由度ランキングが低いのか?その理由を10個挙げてみた。
先日の投稿で、「ジェンダーギャップ指数」と「世界報道自由度ランキング」の2つについて、非常に気になるので、今後、投稿の中で、取り上げたいとお話ししました。
2021年度 ジェンダーギャップ指数(世界経済フォーラム) 156か国中120位
2021年版 世界報道自由度ランキング(国境なき記者団) 180カ国中67位
本日の日経新聞朝刊で、世界報道自由度ランキングの記事が掲載されていましたので、紹介します。
1. 2022年世界の報道自由度ランキング 日本は71位
◆報道自由度ランキング、日本は71位に 香港急落148位 【日本経済新聞2022.5.4朝刊】
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「国境なき記者団」が5月3日に発表した、2022年の世界の報道自由度ランキングで、対象180カ国・地域のうち、日本は昨年から4つ順位を下げて71位。
この記事は、社会面の下の方に小さく載っていました。
日経新聞には、このようにランキングだけ報道し、なぜ、ランキングが下がったのかとか、なぜ日本のランキングが低いのかというコメントは残念ながら一切ありませんでした。
2. そもそも世界の報道自由度ランキングとは
2-1)報道自由度ランキングと日本のランキング推移
報道の自由度ランキングは、国境なき記者団(RSF:Reporters Without Borders)が2002年から発表している報道と自由に関するランキング情報です。
各国のランキング情報を比較すれば、報道の多様性、透明性、独立性などについて、自国の報道の状態やレベルを、他国の現状と比較することができます。
これまで、日本は2010年に11位になったのが最高で、それ以降は50〜70位代に低迷しているのが現状です。
2009年の民主党政権誕生以降、政権交代の実現という社会的状況の変化や、政府による記者会見の一部オープン化もあり、2010年には最高の11位を獲得している。
日本の順位が下がった理由のひとつとして挙げられるのが、2011年の東日本大震災によって発生した福島第一原発事故に対する報道の問題のようです。
2-2)報道自由度ランキングの評価基準
報道の自由度ランキングの評価は、各国におけるジャーナリストへの虐待指標と、ジャーナリストたちへのアンケート結果に基づいて行われるようです。
アンケートで評価される項目は、「多様性」「メディアの独立性」「メディア環境と自己検閲」「報道に関する立法の枠組み」「透明性」「メディアのインフラ品質」とのこと。
但し、2022年は、RSFは順位決定の方法を変更し、政治や経済、社会・文化の各影響、法的枠組み、安全性の5指標で判定しているようです。
3.日本のランキングが低い理由を10個挙げてみた
2022年のランキングの詳細については、まだ、詳細情報がない中ですが、日本のランキングが2013年度から50位以下になっている理由をいろいろググって、10個挙げてみました。
❶大企業の影響力による自己検閲
大企業の影響力が強まり、記者や編集部が都合の悪い情報を報じない「自己検閲」をするようになっている。
❷政府からの圧力による自己検閲
政府からので厳しい圧力により「自己検閲」が生じている。
❸自民党政権に対するジャーナリストの不信感
2012年に自民党が政権に復帰してから、ジャーナリストは自分たちに対する不信感を訴えてきている。
❹政府の報道の自由に対する対応
政府(昨年の菅首相に対して)が、報道の自由をめぐる環境を改善するために何もしていない。
❺記者クラブ制度の閉鎖性
記者クラブに加盟できるのは、大手マスコミに所属する記者に限られ、非クラブ会員は記者会見にも参加できない。
クラブに加盟できないフリーランス記者や、外国人ジャーナリストなどが取材を制限されている。
(記者クラブとは)
公的機関や業界団体などの各組織を継続して取材することを目的として、大手メディアが中心となって構成している任意組織。
各省庁、政党、行政機関、警察、消防などの公的機関、東京証券取引所や商工会議所なでおの業界団体に設置されている。
❻危機発生時の政府への情報集中
戦争、テロリズム、大震災や原発事故などの危機が発生したときに、その情報源が政府に集中することにより、「発表ジャーナリズム」という問題が発生する可能性がある。
(政府が記者会見で発表した情報を鵜呑みにして報道する姿勢)
特に、2013年に公布された特定秘密保護法の成立により、戦争やテロリズムに関する特定秘密の存在が自由な報道の妨げになるという評価もあるようです。
❼ジャーナリズムへの慣習や経済的利益の影響
慣習や経済的利益の影響で、ジャーナリストが民主主義の番人としての役割を完全に果たすことは難しい。
❽ジャーナリストに対する嫌がらせ
SNSでは、政府に批判的だったり、福島第1原発事故や在沖米軍問題のような『反愛国的』テーマを報じたりするジャーナリストに対して、民族主義グループが嫌がらせを行っている。
❾特定秘密保護法に対する議論の拒否
政府は、内部告発者やジャーナリスト、ブロガーが『違法に』入手した情報を公開したとする判決が確定した場合、最長で10年の懲役刑を科せられる特定秘密保護法についての議論を拒否し続けている。
❿コンプライアンス・ジャーナリズム
戦場や被災地など、危険な地域に自社の社員を派遣できないという状況から、フリー・ジャーナリストに依存する「コンプライアンス・ジャーナリズム」の問題もある。
4. さいごに
ジャーナリズムの問題はなかなか、ジャーナリズム自身が取り上げられないという現状があります。
その中で、毎年、このように報道自由度ランキングが発表されることは、非常に意義があると思いました。
RSFが日本に対して、発しているコメントは、全くその通りではないかもしれませんが、世界的な視点で見ると、そう思われていることを政府、メディア、企業、国民が認識することが非常に大切だと考えます。
これは、私見なのですが、「❻危機発生時の政府への情報集中」や「❿コンプライアンス・ジャーナリズム」を考えると、今起こっている戦争の報道には、ある程度、疑問を持たなければならないと思いませんか。
戦争自体には全く賛成できませんが、一方的に片方の国が「善」でもう一方の国が「悪」という報道になっているような気がしてなりません。
このランキングを見る限りは、自己検閲された報道、政府が取捨選択した報道が巷に溢れているようです。
SNS等の投稿や情報が世界中を駆け巡る今日、我々は、新聞、テレビ報道だけではなく、広角的な視野に立ち、状況判断できるようにならなければいけないと思いました。
【引用、参照website】
◆ELEMINST website: 2021年報道の自由度ランキング発表 日本の報道の不自由とは
◆Jcast ニュース website: 報道の自由度「日本67位」の理由とは 国境なき記者団があげた「記者クラブ問題」、大手紙ほぼスルー
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