見出し画像

「PDCAサイクル」について改めて考える:10個のメリット、10個のデメリット

私は、「PDCAサイクル」は、企業経営・運営の基本だと思っています。

昨今、変化の激しい時代には、「PDCAサイクル」は最早役に立たないと言われ始めています。

しかしながら、実際に「PDCAサイクル」を理解し、変化の激しい時代に適応させて活用できている企業は非常に少ないのも事実です。

そこで、本投稿では、いろいろなwebsiteに書かれている企業にとっての「PDCAサイクル」のメリット、デメリットを、まとめてみることにしました。

そこから、「PDCAサイクル」とは、どんな手法なのかが見えて来ると考えました。


1. PDCAサイクルに関する投稿

これまで、PDCAサイクルに関わる投稿を16本発信し、マガジンにまとめていますので、ご興味のある方は、是非、読んでいただけると嬉しいです。

その中で、「スキ」が多かった投稿を2つ紹介します。

事例の1つは、「PDCAサイクル」をうまく回す方法、そしてもう1つは、企業の社会的責任を果たすための「PDCAサイクル」の活用について、説明しています。

1-1)PDCAサイクルは時代遅れ!?❸:失敗のうち「計画」倒れの人半分!

PDCAサイクル」が回らない理由の一つとして挙げられるのが、「PPP型」。

綿密な計画を立てることに一所懸命で、先に進まない。

私の周りの半分くらいは、この計画で挫折しているような気がします。

本投稿では、「PPP型」サイクルを打破するアイデアを3つ紹介しています。

ご興味ある方は、是非、この投稿をご覧ください。

1-2)変化の激しい時代の企業の「守り」と「攻め」【前編】:「守り」の課題解決

変化の激しい時代には、企業にとってCSR(企業の社会的責任)の対応ができていないと致命傷となります。

国際標準化機構が発行しているISO26000規格は、CSRのガイドラインであり、この規格では、組織の社会的責任を以下の7つの中核主題に分類しています。

❶組織統治、❷人権、❸労働慣行、❹環境、❺公正な事業慣行、❻消費者課題、❼コミュニティへの参画及びコミュニティの発展

この7つの中核主題に取り組むためには、PDCAサイクルに基づくISOマネジメントシステム(例:労働安全衛生、品質、環境)が非常に有効で、これらのマネジメントシステムの考え方を企業の中心に据えて経営管理を行うことで、CSRに対する意識と対応が推進できます。


2.「PDCAサイクル」のメリット

それでは、まず「PDCAサイクル」の企業にとってのメリットについて、10個挙げて説明します。

❶やるべきことに集中して取り組める

プライオリティ付けして設定した目標に向けて明確な行動計画を作成するため、企業として、部門として、そして個人レベルで何をするべきか、何をしなくてよいかを明確にすることができます。

そのため、やるべきことに集中して取り組め、ムダな作業を省略でき、効率化が図れます。

❷目標や行動の明確化が可能、ゴールを明らかにしやすい

ゴールと目標に対して行動した結果、自身の仕事の改善点や良かった点などが明白になるため、次の行動に何を活かせば良いかが把握しやすい。

特に、プロジェクトを推進する場合、ゴールを明確にしやすく、初期段階から「PDCAサイクル」を導入していくことで、効率良く事業を進める習慣ができ、業務の効率化と企業の成長を促すことができる。

❸現状の課題や問題点が明確になる

目標達成の際に解決するべき課題や問題点が明らかになる。

また、現状の課題や問題点、不足点などを具現化できる。

「PDCAサイクル」を回していくなかで何が課題なのか、その課題を解決するには何が必要なのか、成功の要因には何があるのかなどを明確にできるのです。

❹検証結果から改善すべき点を見つけやすい

目標と行動計画に従って活動するため、その結果を受けて「目標が何割達成できたのか」、「なぜそのような結果になったのか」、「施策のどの部分が悪かったのか」、「誰にどのような改善指示を出すのか」という検証による管理が容易である。

❺継続的に品質管理や業務改善ができ、成長し続けることができる

あらかじめ定めた目標や行動計画があるため、改善から再計画までの流れもスピーディーに行うことができ、継続的に改善し続けるというチームを作りあげることができる。

❻学びを増やすことにつながる・経験から学ぶ力を身に付けられる

仮説と記録と実行、そして振り返りを習慣化することは、学びを増やすことにもつながります。

「PDCAサイクル」は、少ない経験で最大の学びを得る手法として活用できる。

❼目標達成の可否に関わらず次につなげることができる

「PDCAサイクル」を回した結果の成功例は標準化でき、失敗例は改善・効率化の課題になるため、目標達成の合否に関わらず次につなげることができます。

❽コミュニケーションを活発化できる

「PDCAサイクル」を回すに当たり、上司や先輩とのコミュニケーションが活発化できる。

上司や先輩とのコミュニケーションを通して、上の立場の考え方を知る機会を増やしていけば、ビジネスパーソンとしてどう振る舞えば良いかも見えてきます。

❾業務の定型化により効率化が図れる

「PDCAサイクル」のメリットは、「Plan(計画)→Do(実行)→Check(評価)→Act(改善)」のサイクルに合わせて、作業をある程度定型化できる。

定型化した作業をすばやく何度も繰り返すことで、一連の作業における良い点・悪い点が可視化することができる。

要は、最小のコスト・最小の時間でプロジェクトの成否を判断できる。

❿目標達成に必要な能力が向上する

「PDCAサイクル」を活用すると、組織の目標を達成するための、役割に応じた目標(目標の連鎖)が明確になり、従業員一人ひとりの自主的・自律的な活動を促すことができ、その結果、各人の能力向上に繋がって行く。


3.「PDCAサイクル」のデメリット

メリットを10個挙げると、「PDCAサイクル」は万能の手法のように見えてしまいますが、反対にデメリットを10個挙げてみたいと思います。

意外な弱点がいっぱいあることが分ります。

❶改善に時間がかかる

「PDCAサイクル」は改善アイデアを思いついてすぐ実践するわけではなく、改善の反映前に計画・実行・評価といったプロセスを踏むため、改善に時間が掛かります。

❷目標を設定するときに現状把握が甘い

目標が、前の目標を踏襲することが多いため、実際の現場で事実やデータに基づいたものを調査し何が問題なのか、何を目標とすれば良いのかの現状把握が疎かにされやすい。

❸目標や課題を解決するはずの実行プランの内容が不十分

「なぜそのような問題が起きているのか」という原因を徹底的に追求しなければ、課題にダイレクトにアプローチできる答えは見つけることができません。

❹強大な反対勢力により「PDCAサイクル」が回らない場合がある

古い伝統や考えを重んじ、変化を受け入れることを拒否する勢力(特に役員や部課長)が多いと、改善どころか計画さえも上手くいかなくなる場合がある。

そういう反対勢力に対応するために、計画承認に時間が掛かったり、結果の評価に時間が掛かったりして、ところどころで進行されず活動が停滞する場合がある。

❺前例主義から抜けきらない

「PDCAサイクル」はあくまでも、過去に実施した施策や行動を評価して改善案を生み出す考え方であるため、どうしても前例主義が多くなりがちになります。

そのため、前例により効率的に対処できる対応に走ってしまいがちで、前例のない新しいアイデアが全く目もむけられないという状態になりがちである。

❻イノベーションを起こしづらくなる

この世の中にないような新技術や新商品を生み出そうとする場合、先に説明した前例主義に陥るとともに、企業活動や文化から革新性が失われる可能性があります。

❼クオリティを求めすぎて時間が掛かる

良い計画を策定することや、良い改善案を出すことにばかりに時間をかけてしまい、実際に「PDCAサイクル」を回す時間が限定的になる場合がある。

❽意識の共有化がされない場合が多い

会社、部門、個人の「PDCAサイクル」を別建てで回すと、階層間の意識の共有化がされず、企業としてベクトルが合わず、思ったような成果がでなくなる。

❾「PDCAサイクル」が過度に目的化してします

計画の策定、実行や記録の実施、そして評価などを行うために、それなりの手間や時間、労力がかかります。

「PDCAサイクル」を計画すること自体が目的になっているというケースが多く、計画の策定や実行、評価などを行うのに、必要以上のマンパワーやコストがかかってします。

❿突発的な出来事に対して対応できない

「PDCAサイクル」を回すためには、ある程度の時間が掛かってしまいます。

そして目標・目的が定まっていて、それを達成するための手法のため、突発的な出来事に対しての対応には向いていないという欠点があります。

デメリットを10個挙げてみました。

どんなに優れた手法にも欠点はあるものだと思います。

ここに挙げた10個の欠点を補う対応を行えば、「PDCAサイクル」をより、有効に活用できるのでは、ないでしょうか。

次回の投稿では、これらメリットとデメリットを踏まえ、如何に「PDCAサイクル」を活用すれば、この変化の激しい時代に有効な手法として活用できるかについて、考えて見たいと思います。

【引用・参照website】
◆起業LOG website: PDCAとは?|意味やメリット、失敗要因、回すコツ、事例を簡単に解説

◆あしたの人事 Online: PDCAサイクルとは? メリット、デメリットやOODAとの違いを解説

◆識学総研website: 【PDCAサイクルとは?】意味やメリットから、運用のコツまでわかりやすく解説!

◆コボットwebsite: PDCAサイクルの効果的な回し方とは?メリット・問題点と成功に導くポイント

◆LEARNING AGENCY website: PDCAの基礎知識や使い方、メリット・デメリットを解説

◆わかることwebsite: PDCAサイクルを回す意味やメリットは?問題点の改善と事例


💎株式会社ラフ・ダイアモンド ホームページ

SDGsとDXで企業の『価値創造』をサポート

↓こちらのロゴをクリック


いいなと思ったら応援しよう!

この記事が参加している募集