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授業の進め方 ~みっきー先生の場合~

ぼくの授業のやり方は、基本的に子どもに任せるというものです。なので、個別指導は行いますが、一斉指導はほとんど行いません。今日は、その内容を詳しく書いていきます。


①事前準備

・学習研究

まず、ぼくは教材研究の時間をほとんど取りません。その代わり、日々『学習研究」を行っています。どういうことかというと「どのような環境なら、子どもたちが学びやすいかな」といった視点で教室環境を見直したり、子どもの特性に応じて必要そうな道具を準備したりするのです。教材(プリント等)を準備することもありますが、基本的には教科書とノートだけです。あとは、後述するICTの活用により、大抵のことはカバーできます。

・板書を書いておく

本時の課題をあらかじめ、なるべく端的に書くようにしています。具体的には「教科書○P⇒△番の説明」くらいです。最初が本時にやるべき課題。そして矢印の後に書いてあるのが、今日の学習で特にポイントとなる問題で、それを説明しましょうという意図の指示です。ただ解くだけでなく、説明まで求める事で、子どもたちはアウトプットに比重が行きますのでより活発な交流が期待できます。

・教室環境

なるべく学習を主体的に進めてほしいため、学習するためのコンテンツをたくさん用意しています。例えばぼくの教室では、漢字学習がいつでもできるよう全学年の漢字の読み・書きのプリントを常時置いています。また、裏紙や計算用紙、電卓、タイマー、ホワイトボードなども自由に使ってよいことにしています。さらに、席の移動も自由。また、ICTの活用も推奨しており、教室内には自学用に『Kahoot!』で本単元に関する問題の番号(PIN)を書いていたり、啓林館が出している『スマートレクチャー』という算数解説動画のQRコードを掲示して、いつでも見られるようにしたりしています。子どもたちは、本時の課題を達成するために様々なアプローチの手段を持っていて、その中で自分にとってベストな学習方法を模索できるような教室環境を意識して作っています。

・可視化

子どもたちのネームプレートを黒板に貼り、課題が終わった子からそれを剥がしていくように指示しています。そうすることで、今だれが終わっていて、誰が終わっていないかを可視化できます。すると、まだの子に教えてあげようとする子がでてきます。「自分だけでなく、クラスみんなで達成しよう」という風土を大切にし、そうした姿を価値づけしていくことで、協働的な学びの実現を目指します。

②授業内容

・導入

まずは、子どもたちと本時の課題(板書済)と目標を確認します。クラスの目標はいつも同じで「みんなで達成するために、どうしたらよいか考えて行動しよう」です。まずは自分のために、どのような学習方法をしたらいいか考えて実践する。余裕があれば、他の困っている仲間のためにも動いてあげる。また、仲間を頼ることはとても素晴らしい事なんだという学習に対する心構えとかスタンスなどを共有してから、始めるようにしています。

・展開

基本的に、学習が始まったらぼくは見守るスタンスです。子どもたちは、自分に合った学習方法を選択し、それで学習を始めます。ICTを使って一人で学び始める子もいるし、友だちと席をくっつけて話し合いを始める子もいる。また、いきなり先生のところに来て「教えてください」という子もいます。ぼくは、それらを出来る限り認めながら、子どもたちの進捗状況を把握し、声掛けを行います。慣れてくると、子どもたちは「先生がいなくても、自分たちでできる」ことに気づいてきます。また、その方が早く、しかもストレスなくできるという子もたくさん出てきます。

・まとめ

よくある「学習内容のまとめ」はほぼ行いません・代わりに「今日の自分の学習方法は適切だったか」とか「全員達成するために必要なことは何だったか」といった、学習全般に関するフィードバックをします。もしくは、時間があれば子どもたち自身が考える時間を作ります。

③留意事項

上記の指導法はぼくが日常的に行っている授業でのことですが、すべての授業をこのようなスタイルで行っているわけではありません。一般的(?)な一斉指導も行っており、ゴリゴリの暗記指導も行っています。むしろ、そのようにして基礎基本の知識はしっかりと暗記させた上でないと、上記のような任せる指導は上手くいかないと思っています。なので、安易に「こうした指導法がいいよ」と主張したいわけではなく、あくまでもぼくの中での一つの最適解として、このような授業の在り方を提案しているということです。

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