【書評・感想】世界一流エンジニアの思考法【著:牛尾剛】
はじめに
書評というか読書感想文です。
著者の牛尾剛さんは米・マイクロソフト社に勤めるソフトウェアエンジニア。
すごく簡潔に言うと、「Azureの中身を作ってる人」です。
マイクロソフトで世界最高峰のエンジニア達と働く中で学んだ思考法などをご自身の体験を基に綴っているのが本書の主な内容です。
(プログラマに限らず)仕事の生産性を爆上げする方法や、仕事とプライベートの両方を充実させる方法、近年何かと話題のAIへの世界一流エンジニア達の考えなど、IT業界外で働く方達にも読んでほしい一冊です。
今回は、そんな本書を読んだ私が特に印象に残った内容をいくつかご紹介していきます。
印象的だった点
理解に時間をかける
私の身の回りでは、良い事とされる「とりあえず手を動かしてみる」行為を本著では望ましくない行為と評しています。
先に手を動かさず、仮説を立て、アプローチを選定する。
これを鉄則としています。
試行錯誤は悪と評していますが、確かに私自身ネットワークのトラブルシューティングで片っ端からネットで調べたよくあるトラブルの基を頼りに調査した結果原因を突き止められず、基礎的な知識とエラーログをしっかり見れば数分で解決できるトラブルに丸一日を費やし上長に助けを求める。経験をしています。
また、本著では難しい事の理解は頭の良い人達でも時間がかかるものとし、基礎的な事の理解の重要性を解いています。
マイクロソフトで働くレベルのエンジニアがプログラミング言語の基礎を再履修しているのです。
基礎は誰でもできるが、習得には時間がかかる。
タイムボックス制
切りが良い所まで仕事をするのではなく、定時になったら切り上げる。
毎日決まった時間で学習時間を確保する。
こういったタイムボックス制の導入を著者は推奨しています。
著者自身、このやり方に始めは抵抗感や罪悪感があったそうですが、すぐに効果があらわれ生産性が格段に上がったのだとか。
睡眠の重要性
前述のタイムボックス制導入による生産性の向上にも関係あるのですが、
ただひたすら働くことによる生産性の低下には脳の酷使も寄与していたそうです。
タイムボックスによって著者は毎日7時間の睡眠時間を確保できるようになり、毎日意図的にディスプレイを見ない時間を作り出すことで脳をリフレッシュでき仕事のパフォーマンスが向上したと言っています。
私が直近読んだ本は本書以前ですと、『エッセンシャル思考法』、『道は開ける』なのですが、いずれの本も睡眠の重要性を説いています。
夜更かししてする行為が生み出すプラスが睡眠がもたらすそれを上回るとは考えにくいですし、個人的にも同意できる内容です。
本書を読んで
私が自身の生活に導入した事・考え方です。
タイムボックス制
起きてから始業時間まで・終業から就寝まで
これらの時間を30分単位でくぎりその間に行う事を挿入しています。
意外と時間があることに気付けましたし、その時間に集中できるようになりました。
睡眠時間も固定し在宅の現状も併せて毎日8時間の睡眠を確保できています。
基礎の徹底
著者のそれと私の場合ではそもそものレベルが違いすぎるのですが、基礎の理解が役に立つのは間違いないです。
例えば、AWSでVPCを作成しEC2インスタンスを起動しSSHで接続するという超基礎の内容でもAWSを知らない人に説明するにはサブネットのCIDR設定やセキュリティグループの設定、インターネットゲートウェイとルートテーブルの関連付け等を理解している必要があります。
固い基礎がその後の理解を助けてくれるのは間違いないですし、取り組んでいる事を真に理解しコントロールできている感覚は心地よいです。
私はまたエンジニアですらない人間ですが、この基礎を大事にする姿勢を守り続けたいと思います。
おわりに
今回紹介した内容のほかにも、マイクロソフトで働くイケイケエンジニアの思考法や、アメリカと日本の企業風土の違い、外資系テックに転職する方法、日本のエンジニアに思う事。など様々な内容が記載されています。
IT企業に勤めていない人にもお勧めできる内容だと思いましたので、興味を持たれた方は是非お手に取っていただければと思います。
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