見出し画像

雀荘のおじいさん。

施設に入居する人の中には、
自宅で療養されていた方もいる。

そのため、入居前には自宅へうかがい、
状態確認をする。

施設で働く看護師さんたちは、
他人の家に行くのが無理と言う。
話を聞くと、
汚かったら入れない。
他人の生活感を感じるのが苦手とか。

まぁ確かにわからなくはない。

訪問看護のおかげで?どんな家でも入れてしまう自分って(笑)

┈┈┈┈┈

先日訪問したお宅。

雀荘

生活保護で、
雀荘に長く住み込みさせてもらっているというおじいさま。
癌が進行してきて、入院はできないので、
施設入居という話になった様。

訪問看護の時は、雀荘はなかったな。
風俗街のど真ん中にあるお家には訪問したことがあったな。
お看取りもネオン煌々とした真夜中だったな。。。

┈┈┈┈

朝10時。
駅からすぐの細い路地に入る。
雑居ビルが並んでいる。
Googleマップで目的のビルに着く。
階段を上がると、
雀荘とか何も書いてないドアが。

ここかな。

さ、どんな方なのかと恐る恐る雀荘のドアを
ノック。

はいよ~

ってドアを開けてくれたのは、
小柄なかわいいおじいさん。
きっちっとワイシャツ着て立っている。
話すと痰が絡んで息切れして、咳している。
血痰が常に出ていると教えてくれる。

雀荘はオープン前で、誰もいない。
雀卓の前に座る様案内される。

そのおじいさんに、
パンフレット見せて、施設の説明をする。
最期まで面倒を見てくれる人が誰かいるか、
保護費を入居にあてると、自由に使えるお金はわずかになるか、又は0だが、それでも良いかなど、現実的な話をしなきゃならない。

はい、いいです。とういう人は少ない。

携帯代ないと困る。
タバコが買えないと困る。。。エトセトラ

けれど、もう長くはないから1人では暮らせないと言う。

暖かい部屋、3食提供、入浴もできる環境をとるか、このまま1人で最期を迎えるかの選択。

実際、現実感なく悩ましいのかもしれない。
だんだん意地悪言いに来たような気分になる。嫌な仕事。。。

こういう方は訪問診療と訪問看護を入れて、この生き様を通して看取ってあげるのが良いのだろうなと思う。

結局、雀荘のオーナーさんが最期までと、多少ならお金のサポートをすると言い、
入居へ向けて話が進み出した。
市のケースワーカーさんともやりとりする。

そこで突然、新たな登場人物が。
元妻である。
施設の見学に来たいと、
本人と一緒にいらしたのだが。

初っ端から、
自分は統合失調症で、発達障害があり、全て録音して訴えると始まったもんだ…
会話も支離滅裂で大声で騒ぎ帰られた…

・・・ため息しか出ない。

どうやら元妻とは、
内縁関係を継続していて、
共依存の状態。

この話の結末は、
元妻と再婚して暮らしていきますと。

( ¯▿¯ )オメデタイ

私は思う。
良かったんじゃないだろうか。

会社からしたら、私は客を逃がしたわけで、
良かったなんて事は言えないのだけど、

なんだかんだずっと寄り添っている元妻といられ、孤独死するよりずっと良いんでないかと思う。


[完]


こんなんじゃ、入居者増えないな。。。
頑張りまーす。。。

( ¯▿¯ )ノ"







いいなと思ったら応援しよう!

この記事が参加している募集