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不登校の数は増えているけれども、母子登校はどうなの?

不登校の数というのは、毎年文部科学省がデータを取り発表されています。
文部科学省の2023年度『学校基本調査』によると、不登校の小学生・中学生は合わせて約30万人に達しています。
少子化が進んでいるというのに、不登校の数は年々増え続けている・・・。
その要因というのは様々あると思いますが、不登校に対する世の中の捉え方が変わってきたということは大きいと思います。

ひと昔前というと随分私自身が歳を取ってしまった感じが否めませんが・・・(笑)
私が支援者として駆けだした頃、つまり約10年前と今とでは確実に不登校に対する捉え方は変わってきたと言えるでしょう。
当時は「不登校」というワードがようやく認知されてきた頃という認識をしています。
ですので、周りの大人たちとしても『学校に行くのが当たり前』という捉え方が多く、そう子ども達にも伝えてこられた方が多かったでしょう。

しかし今では、教育機会確保法という法律も制定され、学校ではない居場所がずいぶん増えました。
不登校のお子さんを持つご家庭からすると、学校以外の居場所があるということはホッとされる方もいらっしゃると思います。

メディアでも不登校を取り上げられることが増えてきて、夏休みが明ける前には近年毎年のように不登校について放送されているように感じます。
ただ、メディアの取り上げ方をみると1つのケースをさもそれがすべてかのように放送されるので、どうしても偏った情報になりやすいなと思います。

支援者という立場から申し上げると、まったく同じケースなんていうのはありませんからね。
こういう傾向が多いというのはある程度出すことはできますが、それでも一部にしか過ぎません。
お子さんも当たり前ですが人間なので、ロボットのように一概にこうすればいいという対応はないのです。

ここまで不登校のお話をしてきましたが、じゃあ実際のところの母子登校の数ってどれぐらいなの?と疑問が湧きますよね。
しかし残念ながら、「母子登校」に特化した公式の統計データというのは今のところ発表されていません。

えっ、なんで??と思われる方もいらっしゃると思いますが、学校に行けているからというのが大きいように感じます。
これはあくまでも私の見解にはなりますが、お母さんと一緒でも学校に行けているのであれば社会と繋がれているだろうという捉え方になり、至急対応しなければいけない部分という認識からは外れてしまうのだと思います。

こういった点からもやはり「母子登校」の大変さ・苦しさ・辛さというのが理解され難いのだなと感じます。

支援の中で見えてくるものとしては、やはり不登校の数が増えるのと同様に「母子登校」の数も増えているのではないかと推察されます。
私もデータを取っているわけではありませんが、毎年ご相談される内容を見ていると、確実に母子登校のケースは増えています。

また、支援を受けられている親御さんからも「同じクラス母子登校をしているお友達がいます。」や「お子さんと一緒に学校に入って下駄箱のところで離れるのが嫌だと泣いているお子さんを見ました。」などと他にも母子登校をしているケースがあるというお話をよく聞くようになりました。
親御さん達の感覚としても、不登校だけでなく母子登校をしているご家庭が増えているという印象を受けられているようです。

数が増えてくると、子ども達の中でも「〇〇君(ちゃん)のお母さんも学校に来てるからいいじゃない。」という感覚になってしまうこともあります。
実際、支援の中でもお子さんからこう言われたとご相談いただくケースはありました。

不登校や母子登校の現状は、年々変化し続けています。
社会の認識が変わる中で、適切な支援体制の整備が求められています。
支援者として、私たちは多様なニーズに応じたサポートを提供し、すべての子どもたちが安心して学べる環境を作ることが重要であると考えます。

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