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母子登校の辛さは周りに理解されにくい


「母子登校」という言葉も近年では珍しくなくなってきました。
数年前までは母子登校よりも「付き添い登校」という言い方が多かったかも知れません。

母子登校は不登校に比べるとお母さんさえ居てくれば学校に行ける状態ですので、周りからは「学校に行けているだけいいじゃない。」「今だけよ。そのうち子どもから来ないでなんて言われるわ。」と言われることも多いようです。

しかし、親御さんの負担という目で見ると、実際の現場では深刻な問題が多いなと感じています。

「母子登校」といえどその内容は様々で、学校まで親御さんが付き添うケースもあれば、教室の中まで親御さんが付き添うケースもあります。
どちらが楽かという話ではなく、毎日の学校に付き添うとなると大変なのは想像できるかと思います。
それに加えて、母子登校をしているケースの中には下にまだ未就学児のお子さんがいらっしゃるケースも少なくありません。
ただでさえ手間も時間もかかる下の子の世話をしながら母子登校するというのは非常に大変な状態であると言えるでしょう。

また、それだけでなく母子登校をしている親御さん達は、学校に行くことによって問題なく登校しているお子さんを目にする機会も多く「なぜうちの子だけ・・・。」「私の育て方が悪かったのかしら。」とご自身を責められる方も多いです。

これらからも分かるように、学校には行けているものの「母子登校」をしているという状態は体力的にも精神的にも親御さんが追い詰められやすいという状態であることが多いのです。

実際、私の支援の中でも働くお母さん達が「母子登校を続けていると働けないので・・・。」と泣く泣く仕事を休職されたり、辞めてしまわれた方もいらっしゃいました。
私も働く1児のママですので、女性が妊娠・出産を経験してから働き続けることの難しさは痛いほどわかります。
だからこそ、働けなくなる状態というのが本当にいいのか?という疑問はありました。

仕事を辞められたり、休職したり、時短勤務にされたり何かしら働き方を変えなければいけない状態になってしまった親御さん達に話を聞いていると、はじめはみなさん「私も仕事に集中し過ぎて子どもとの時間を取れなかったので、こうなって子どもと過ごす時間も増えたし今はいいかなと思っています。」とおっしゃっていました。

ですが、私から「お母さんは本当はどうされたいですか?」と本音の部分を聴いてみると・・・
殆どの方が「やっぱり働きたいですね。子どもも大事だけど、これまで頑張ってきた仕事を手放すというのは正直辛いですし、取り残されてしまうような気持になります・・・。」と涙ながらに話してくださいました。

いろんな考え方があると思いますし、そのどれもが間違ってもいないと思います。
子育てをしていると何かと親御さんが我慢を強いられることは多いと思いますが、それをいつまでもというのは辛いですよね。
きっと、私に本音を話してくださったお母さん達も「言っていいのかな?」という不安もあったのだと思います。
どうしても受け取り方によっては我がままに捉えられることもありますから、なかなか本音は言えませんよね。
ただ、本音を言えず我慢した状態が続くと、次第に不満となりお子さんやパートナー(旦那さん)などに当たってしまうということは往々にしてあります。
それは避けたいですよね。

だからこそ、私は親御さんに本音を聴き、そのためにどうしていくのかを一緒に考えてサポートしています。
我慢も大事ですし、子どものことも大事でいいんです。
でも、私は自分も大事にしてほしいなと切に願います。

今、母子登校や不登校などで悩まれている親御さんは、おひとりで抱え込み過ぎずしんどい時は誰かを頼ってくださいね。
公的な相談機関でも構いませんし、民間機関でも初回は無料で対応されているところもあります。
お話を聞いてもらうだけでお気持ち少し楽になることもあると思います。

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