33、リコピンの話
リコピンと聞いて何を思い出しますか?多くの方は「トマト」でしょう。最近はとても有名になりましたよね、この両者の名前や関係性。でも、リコピンってどんな働きがあるんだっけ、というところで止まってしまうかもしれません。今回はリコピンについて書く事にします。
リコピンはカロテノイドの中ではカロテンのグループに属するフィトケミカルの一つで、植物などに含まれている赤やオレンジ色の色素成分です。この辺りの理由でトマトが出て来るのでしょう。こんな色の植物(野菜)というと、トマトやにんじん、すいか等にも含まれているそうです。この中ではトマトの含有量がダントツで多いとのことで、にんじんと比較すると100倍以上の差があるのだとか。
トマトが嫌いな方は残念ですが、そうでなければ積極的に摂取したい食べ物ですね。その気になる効果はというと、何と言っても抗酸化力でしょう。活性酸素という言葉はここでも何度も出て来ていますので説明は省略しますが、若さの大敵で体を錆びつかせる原因の一つに挙げられているようなものです。
リコピンはその活性酸素に対する抗酸化力が非常に大きいとのこと。活性酸素の働きを抑制してくれるとのことで、ビタミンEの日ではないとの報告もあるのだとか。さらに紫外線に対する効果もあって、日焼けの最初に起きる皮膚の赤みが抑制されるという研究も出ています。この辺りは美容に対する効果とも捉えられますね。
他にも、というよりもこちらの方が大事な働きとして捉えた方が良いかもしれません。それはコレステロールに対する働きです。善玉コレステロールという名前は既にご存じだと思いますが、余分なコレステロールを取り除くような働きがあるものですね。そのため、善玉(HDL)コレステロールを多くしたい人は多いと思います。トマトのリコピンには、それを叶えてくれる働きがあるんです。コレステロールの量はそのまま血管に対する動脈硬化のリスクにつながりますので、これはうれしい働きですね。
他にも、生活習慣病に対する効果が期待されています。血液中のリコピン濃度が高いほど、生活習慣病に対するリスクが下がるようなんです。それも心臓疾患、血管疾患、前立腺がんといった厄介なものに対して。また、血糖値に対する働きかけもあるのだとか。糖尿病の人にとっては、合併症に悩まされるようなリスクが下がるとの報告も出ているんですね。この辺のことはしっかりとまとめておきたいと思います。
リコピンはどうすれば効果的な摂取になるか、最後にそれを書いておきます。
リコピンは油との相性がとてもよいので、イタリア料理の様にオリーブ油を使ったりする料理が良いとのことです。また植物由来の成分ですから、加熱調理することで硬い細胞壁を壊して中のリコピンを吸収しやすく出来るのだとか。また、ジュースにして飲むというのも手軽で良い方法だそうです。因みにその時の吸収率は、朝がダントツで高いのだとか。昼や夜の比ではないそうです。
生活習慣病との関連のところについては、次回にしっかりとまとめたいと思います。