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音楽コラム/レビュー

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アーティストや楽曲のレビュー。じっくり考察するのが好きです。
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秋山黄色、瑞々しい反逆心が鳴らす音楽と鼓動

秋山黄色、瑞々しい反逆心が鳴らす音楽と鼓動

秋山黄色の快進撃が止まらない。昨年12月25日に映画『えんとつ町のプペル』の劇中挿入歌「夢の礫」をリリースしたばかりだが、1月末には『約束のネバーランド』Season 2の主題歌となる「アイデンティティ」を発表、3月には2ndアルバム『FIZZY POP SYNDROME 』の発売が決定している。

デビューからまだ一年足らずにも関わらず、最も動向が注目されているアーティストの一人だ。

1996

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優里「ドライフラワー」の恋は、たぶんやさしい

優里「ドライフラワー」の恋は、たぶんやさしい

音楽を聴いていると「こんなところに眠っていたんだ」と思いもよらぬ感情の蓋が開く。それは、たった一度だけ歌詞やメロディを耳にしたのでは到底辿りつかないほど、記憶の海を深く深く潜った先に在る。

優里の『ドライフラワー』を聴いて呼び起こされたのは、恋の終わり、のはじまりを予感したあの日だった。

恋の終わり、とはどの地点を指すのだろう。反省も後悔も数えきれないほどあって、一体いつ何月何日に戻ればこの瞬

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BLUE ENCOUNT「ユメミグサ」が包んだ青春の情景

BLUE ENCOUNT「ユメミグサ」が包んだ青春の情景

生きている中で、いくつもの「さよなら」が通り過ぎた。

前を向けよ。大人になれよ。どこからともなく聞こえてくる声に押し潰されそうになる。
次第に、未練や後悔はかっこ悪いものだと擦り込まれていったように思う。年齢を重ねるほど、経験を積むほど、見えないしがらみは強くなった。

人間は大人になるにつれ、なにも感じないフリがうまくなっていくようだ。それは、時に生きやすさにも繋がるのかもしれない。けれど、本

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