大志がなくても、取り柄がなくても
昔から、大志というものを抱いたことがなかった。
誰かと比べては、あれが足りない、これが足りない。もともと凸凹のヘコんでいるほうという認識が強く、人生はそれを埋めていく作業の繰り返しだと思っていた。
それなのに。習い事はすぐ辞める、大学時代はバイト三昧、取り柄など見当たらず。
どちらかというと冷めた目で物事を捉える由々しき癖。出世欲もなければ、社会貢献も興味ない。いつも小さな自分ゴトばかりで世界を回していたように思う。
どことなく危機感はあった。何かやらねばならない焦燥