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Hasselblad X2Dレビュー


はじめに

11月末に買ったHasselblad X2Dのレビューです。
買ったよ、って記事はこちら

この数ヶ月会社の昇格試験(筆記と面接)があり、その準備や対策、そして去年は不合格だったこともあり何かと悶々と過ごす日々だったところにフッと湧き上がった物欲から購入したX2D。
試験結果が出る前ではあったもののその欲に勝てず、昇格祝いという"てい"で思い切った。
今年も不合格だったらどうするのというのはあったけど、無事合格したので改めて本当に自分のカメラになった感覚。

週末を中心にX2Dを持ち出して、パチパチ写真を撮るなかで感じたことをレビューとしてしたためたい。

カメラ始めて来年で20年。
そういう節目にも相応しいカメラとなったと最初に書いておきたい。

それでは、スタートです。

レビュー項目

レビュー項目は以下のとおり

・デザイン
・操作性
・質感
・重さとグリップ
・液晶
・AFとMF
・画質
・その他(スチル専用機)
・総評

色んなカメラを使ってきたので、たぶんに他のカメラとの相対評価になっている可能性が高いという前提で見ていただければ幸いです。
ここ最近使ったカメラは
Nikon Z9、Zf、Z30
Leica M10-P

デザイン

期間限定のラバーダックと

初めてこのカメラを見たときは変わった形だな、と思ったのが第一印象。
軍艦部が横に広い。
Hasselbladというロゴを入れるため?Nikon、SONY、Canonと比べると長い。文字の間隔も広い。だから軍艦部も広い?
ただこの広い軍艦部がこのカメラの特徴であり、カッコ良さだと思う。
次に目につくのがシャッターレリーズボタン。
Hasselbladはオレンジを差し色としてカメラやレンズに使っている。
僕はオレンジ色が好きなのでこの辺もお気に入りのポイント。

↑の写真のとおり、XCD 2,5/55Vを取り付けた佇まいはカッコいいの一言。

操作性

今まで使ってきたカメラの電源はほぼシャッターレリーズボタンの先、カメラを握ったときに人差し指がくる位置にあったが、X2Dはカメラを握った状態で右手では電源を入れられない場所にある。
なので、他のカメラならこまめに電源オンオフしていたけど、X2Dの場合は撮影中は電源を入れたままにしている。電源オンにしてからシャッターが切れる状態になるまでしばらくかかるのでやっぱり電源オンの状態にしておくのがいいと思う。
ただし、バッテリーはガンガン減る。
とはいえ冬でも半日程度のスナップならバッテリーは一本で十分足りる。念の為もう一本欲しいけどどこにも売ってない。
その他の操作ボタン系は他のカメラと大きく違いはなく、さらにいうとLeicaのデジタルカメラと同じくシンプルな構成になっている。
僕は撮影中を含めほぼ設定をいじることがないので、極力シンプルな操作系のカメラがいい。
EVFと液晶モニターの自動切り替えはかなりイマイチ。
EVFで撮ろうとファインダーを覗きにいったら、ややあってEVFに切り替わる。液晶モニターで撮った写真を見ようと思ったらEVFから切り替わらない。
EVF付近のセンサーの感知範囲の影響なのだけど、ちょっと癖がある。
そういうこともあるし、液晶モニターが大きく綺麗なのでこのカメラでは液晶モニターを見ながら写真を撮るスタイルにしている。
写真はファインダーを覗いてシャッターを切るのが楽しい、って事あるごとに言ってたけどこのカメラでは液晶モニターで写真を撮るのが楽しい。
自分でも不思議なんだけどカメラ歴20年にしてこういう新しい感覚を得られたのはなんだか嬉しい。

質感

Zfは値段(昨今のカメラとしては安い)なりの質感でそれがZf 唯一の不満だったけど、このX2Dは値段に見合ったの良い質感。ボタンもダイアルも何の不満もない。
質感は結構重要視するポイントなので、所有欲が満たされ満足度も高い。

気になるとすれば、後の項目でも書いたとおりグリップが良くて握りやすく、液晶モニターを見ながら撮影するスタイルで使っているので、

こんな感じで、ピークデザインのカフを落下防止にして常に片手持ちで撮るスタイルにしている。(左手ではAFのポイントを操作。)
これまで他のカメラではネックストラップを使うのが普通だったのだけど、ここも面白い変化が現れてきた。
とまあずっと手持ちで撮っていると手汗でグリップが湿って、若干ねっとり感が出る。
質感でいうとグリップに使われているゴムは最高、とは言えない感じ。

重さとグリップ

X2D本体が790g、Zfが630gでその差は160g。
フルサイズよりも大きな撮影素子のカメラとしては軽量だろう。
そしてこのカメラ、グリップがいい。
僕は手が大きめなので深いグリップ、高さのあるグリップをカメラに求めるけどこのカメラはいずれも満たしている。スウェーデン製のカメラということもあり欧米人の手の大きさを基準に作っているのかなという気もしている。

そしてこの写真のように手の平側がぐわっと湾曲している。この形状はなかなか見ない。でもこの湾曲のおかげで持ちやすい。
Z9も同じ感想を持ったけど、グリップが良いカメラは軽く感じる。
ただ重さはあまり気にしない。軽いからずっと手持ちで撮り歩けるけど、カメラの金属を感じられる重さも心地いい。Leica M10-Pはそうだった。

液晶

X2Dの液晶モニターは3.6型。他のカメラは大体3.2型なのでやっぱり大きく感じる。
そしてチルト!
チルトなのでHasselbladといえば、のウエストレベルの撮影もしやすい。
しやすいものの真上から見ると・・・

こんな感じでファインダーでケラれる。
このカメラでのウエストレベルはおまけだな。

AFとMF

まずはAF
このカメラは動体撮影が全くダメ。動かない人とかモデルを撮る分には全然問題ないけど、動き回る子供を記録に残したい!みたいな願いは叶えてくれない。
僕は動体を撮るつもりはないので問題ないけど、最近のカメラだし、と動体撮影を期待している人がいればストップをかけておきたい。
AFはそこまで遅くない。早くもない。
AF精度は高いと思う。
撮影から帰ってきてパソコンモニターで拡大して見てピント合っていない、みたいなことは今のところない。
続いてMF
Nikon機でのMF撮影体験が良すぎるからだと思うけど、それと比較してX2DでのMFはそこまで楽しくない。
MFのピント合わせのアシストモードは3つある。フォーカスピーキング、オートズーム、フォーカスインジケーター。
最後のフォーカスインジケーターが、合焦がわかりやすいのでこれを使っているのだけど、これの使い勝手が微妙に気持ち悪い。
このフォーカスインジケーター、今まで使ってきたカメラではなかった機能として、MFのレンズのピントリングをどちらに回せばいいか表示される。
その表示に合わせてピントリングを回すのだけど、ピントリングの回転と表示されるインジケーターの回転にラグ(フォーカスポイントの移動やピントリングの回転に合わせ常に測位しているのでそのラグだと思う)があるので感覚的ではなく気持ち悪さがある。
今度、フォーカスピーキングでのMFを試してみようかな。また違った感想になるかもしれない。

画質

画質はそこまでこだわりがない。
こだわりがないというか、こだわらなくてもいいレベルに現在のカメラの画質は成熟の域に達していると思っている。
こだわりがないと言いつつ、今までにない写真を撮りたいと思ったときに求めるのはより高い画素数か、フルサイズよりも大きな撮影素子の2択しかないと思っていた。
X2D購入の記事でも書いたけど、ある方に見せていただいた大判1億画素の写真に圧倒され、あんな写真を撮るには・・・みたいな考えはずっと頭にこびりついていたと思う。NikonからZ7の後継機が高画素で出る、みたいな噂がありそれにも期待していたけどなかなか出ない。そうこうしているうちに気になっていたX2Dの在庫が出ている。買うしかないとなった。
これまでスナップで取り歩いてきて小学生並みの感想でいうとやっぱり大判1億画素はすごかった。
なぜか無性にビルを撮りたくなる。そしてモニターで拡大して悦に入る。
レンズの特性か、コッテリとした画が出る。僕はサッパリよりもコッテリした写真が好きなのでハッセルとは相性がいいかもと感じたポイント。
いくらカメラ本体を気に入ったとしても、そこから出てくる画が気に入らなければ長くは使えない。
そういう意味でも、HasselbladはNikonと長い2マウント体制を築いていけそう。

その他(スチル専用機)

このカメラで気に入っているポイントの一つに、スチル専用機というのがある。
僕はカメラに設けられた動画用のマイクの穴が嫌いだ。カメラのデザインを毀損している。如何にうまくマイクを隠せているか、デザインできているかが結構大事なポイント。Z9、Zfは軍艦部の側面にあり目立たないのでギリギリOK。
(持っていないけどZ8はカメラ上部、Z8のロゴの上の方に穴が空いている。OUTだ。)
LeicaのQ2を短い期間持っていたことがあるけど、あれはカメラの上部、一番目立つ位置にマイクの穴が配置されている。それはQ3 43になっても相変わらず。
親の仇くらいマイクの穴を恨んでいる僕としては、あのデザインは許せない。
その点、X2Dはスチル専用機なのでマイクの穴はない。でも液晶の上に穴がある。これはスピーカーの穴で、合焦した時の音を出すために設置されていると思う。デザインを毀損するような位置にないのでまあギリギリOKだ。
(同じHasselblad 907X & CFV 100Cのスピーカーの穴はカメラ上部にある。これはウエストレベルで撮るときに合焦音が撮影者に聞こえやすいように上向きにしていると思う。 907X & CFV 100Cはサイズ感とか佇まいが何とも言えない可愛さがあるが、あの穴のせいで魅力が半減とまでは言わないけど落ちている。あくまでも僕の個人的な感想です。)

総評

X2D最高です。以上

気に入ったカメラしかここまで文字にして評価しようと思わないので、ここまで書いているということはお気に入りってことです。

2マウント体制にするとレンズが増えて大変なのでLeicaを手放して何とか歯を食いしばってNikonのみで頑張ってきましたがX2Dの誘惑に負けました。

ハッセルブラッドXシステムのレンズはどれも高いのでぽんぽん買えないし、Nikonのレンズももう欲しいものはないし出てこない気がするので今後はあんまり増えないはず。(フラグではないことを祈る)

と言いながら早速妄想すると、
今は55mm(フルサイズ43mm)と90mm(フルサイズ換算71mm)の2本で、広角が欲しいなとは思っている。画質良さそうな25mmか軽量コンパクト28mmかVシリーズで揃えて38mmか最高画質を求めて20-35mmか。
決め手に欠けるためなかなか選べないけど、緊急性は全くないので今は手持ちの2本で楽しみたい。

一方で一億画素の代償もある。写真1枚あたりRAWデータは200MBある。
今年3月に買ったM3 MacbookAir(一番安いモデル)では現像するのにパワー不足となり、M4 MacbookPro(M4Proモデル)へと買い替えた。

M3AirからM4Proへ移行中。USキーボードのPCに変えたかったのでちょうどよかったとも言える。

24ヶ月分割無金利で買えたので結構負担が少なく導入できた。カメラとレンズだけではない一億画素の代償があった。

作例を少し


まだ現像が迷子というか、明暗をうまくコントロールできていないのがわかってきたので今後の現像を頑張りたい。

それでは。


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