昨日の散歩 柴犬と歩く
私は朝が弱いので、散歩は昼前に行っている。
でも夏、暑い季節になると、昼前だと気温が上がって地面が熱くなり過ぎるから、もうちょっとばかし早い時間に出かけなければならない。
地面との距離が近くて素足の犬にとっては過酷な環境になってしまうから。
でもまだ大丈夫。5月末はまだ大丈夫。風がぬるく感じられるようにはなってきたけど、まだしばらくは大丈夫。
昨日の朝は用事を済ませてから身支度を整えて、10時半ごろに家を出た。
ここ数年、オリンピック特需なのかどうかは分からないけど、街の至る所でインフラ整備が進んでいて、今、過去最高にキレイで住みやすい街になっている。
このままの美しさを維持してくれればいいんだけど、キレイに整備した数時間後にはごみが散乱していたり、ネチョネチョする液体が撒き散らかされていたりする。夜中に清掃チームがやってくるまでしばらくの間はそのまま放置されることになる。何でだろう。何でみんな汚したがるのだろう。
腑に落ちない気持ちを抱えつつ、犬を連れて歩き進める。
散歩は始まったばかりだ。
ゆっくりのんびりボチボチと、街の中心に向かって歩いて行くとお店が増えてくる。
前はもっと先の旧市街地まで歩いて行ってたけど、最近はこの辺が折り返し地点。歩くよりも座って休憩する時間の方が長かったりする。
私の定番休憩ポイントはこの噴水の縁。犬と目線の合う高さで丁度いい。
ここでしばらくボーっと小鳥のさえずりを聞きながら外の空気を満喫した後、帰りたい飼い主と帰りたくない柴犬の心理戦が始まります。
グイグイ引っ張り過ぎると、道行く人に『虐待』を疑われてしまうから細心の注意が必要なのだ。
柴犬をよく知らない人が見ると、「疲れているのよ」「喉が渇いているんだわ」「具合が悪いんじゃない?」と思われがちな柴犬の本性、それは。。。ただただ歩きたくない、それだけ。
皆さ~ん、確信犯なのですよ!カクシンハン!!
歩く気分じゃなくなると、座り込んでテコでも動かない。
ここからはワシャワシャと撫でてみたりちょっとだけ引っ張ってみたり、優しく、そして時には強く声掛けしながらなんとか自力で歩いていただく。
子犬の頃はヒョイッと抱きかかえて持って帰れたけど、現在9キロ越えのこのボディーでは飼い主の手で抱えきれない。
昨日は拒否柴発動中に、ベンチでランチタイム中のお姉さんに声を掛けてもらった。路上で立ち往生することが多いので、よく声を掛けられるのです。
座り込み中の犬の側まで行ったお姉さんが撫でようとすると、ヒョイッと素早く立ち上がって避ける。疲れているか具合が悪くて立ち往生していると思っていたお姉さんはちょっとビックリした表情で、立ち上がった犬の腹の部分を見て不思議そうに「あら?」と言った。
これ、なに?
腹を指さすお姉さん。
は?
これこれ、このポチっとしたやつ。
お姉さんが指さしたのは、犬の腹の部分。
えっと、えっと、え~っと。。。ちくびじゃね?(心のつぶやき)
ち、ち、ち、ち、ちくびですよね。
急に聞かれたから単語を思い出すのにしばらくかかってしまった。
あら~、メスなの?てっきりオスの、ほら、オスのよくここについてるやつ、アレかと思ったわww
お姉さんはサクッと笑った。
オスの腹によくついてるやつってなんだ?
何となく想像はできるけど、わざわざ指さして「これ何?」って聞くようなものではない。何か別のもののことだろうか?
いや、犬の腹についてる別のものって。。。むむむ。
まあゆーても深堀するような会話じゃないってことで、長居は無用。笑顔で挨拶をして、リードをギュッと握りしめてその場を後にした。少し強い力で引っ張ったから、犬の顔がムギュっと二重アゴになってしまった。
ゴメン、ミア。
今日もあともうちょっとしたら散歩に出かける時間だ。
今日は何処へ行こうかな。