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痴漢の冤罪で捕まる人の気持ちが分かったような気がした
今日は雨だ。日本の梅雨を思い起こさせるようなジメジメとした夏の雨。
犬の散歩でべっとりと汗をかき、不快指数満タンで家に戻ってきた。
すると、アパルトマンのエントランスに見慣れぬ女の子がいた。扉のところで開けたり閉めたり不審な動きをしているが、子供なんて大方みんな不審な動きをするものだ。
気にも留めずにエントランスに入り、エレベーターの前までやってきたところ、廊下の角の暗い隙間に人の気配を感じたそのすぐ直後、大音量の甲高い叫び声が鳴り響いた。
ぎゃーーーーーー!!
そう叫びながら壁に張り付いて、ホラー映画さながらの演技力で身悶え恐怖の形相をする女児。七、八歳くらいだろうか?いや、十歳くらいかもしれない。
不快指数満タンで不機嫌極まりない私は、子供の遊びに付き合う気力すらない。真顔で身悶え叫び続ける女の子の様子を見つめていると、
ぎゃーぎゃー!犬が怖いのよぉ!!!と震える声で言ってくる。
私が短めのリードにつないでいたのはコレ👇。濡れてちょっとしょんぼりとした柴犬だ。
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犬が怖い人がいるのは知っているし、その気持ちを否定するつもりはない。誰だって心底苦手なものくらいある。
だがだが、場所は自分が住んでいるアパルトマンのエントランス。そこを通らなければ帰れないし、犬を飼っているのは私だけではない。
それにしても、近くに保護者がいる様子のない女児はそこで何をしていたのか?人や犬が出入りするエントランスで小さな柴犬を連れた私に向かって突然恐怖の形相で叫び訴える女児。ぎゃーぎゃー!!犬が怖いのよぉ!!!!って。
本日私が連れている濡れ柴犬は、飼い主同様、しょんぼりとうなだれて、ゆっくりと飼い主の歩調に合わせて歩いているだけだ。
リードを持っているから女の子に近づいて様子を伺うことも出来ないし、その子の叫び声が大きすぎて、私が何を言おうとしても声がかき消されてしまう。
仕方がないのでそのままエレベーターに乗って家に戻ってきた。
その時にふと、何でか分からないけど、痴漢の冤罪で捕まる人の気持ちが分かったような気がした。
こっちは普通に日常を過ごしている。なのに急に見知らぬ若い女の子がやってきて、ぎゃーぎゃー騒いでお前が加害者で私が被害者だ!と叫ぶ。
そんな感じがした。
お~怖っ。
よく考えてみると、犬が怖いならエレベーターからもっと離れたところへ行って身を隠せばいいのに、わざわざ分かりやすいエレベーター脇の隅っこにいた女児。恐怖のあまりに息も出来ない、なんてこともなく、ここにいますよ!見て下さいよ!と言わんばかりに叫び散らす女児。ホラー映画さながらの大人びた動作とセリフをスラスラ言う女児。
ありゃー一体何だったのか??