言語化力
■読書感想文
題 名:『言語化力』
著 者:三浦崇宏 氏
出版社:SBクリエイティブ株式会社
異常に楽しみにしていた。
ここ数日、『言語化力』が我が家に届くことを待ちわびていた。
僕が住んでいる町(沖縄・石垣島)は、新しい本が店頭に並ぶのが遅い。
本屋さんで新刊を目にするのはだいたい、発刊日から10日程経ってからだ。
そんな環境下で、できるだけ早くこの本を手に入れたかった僕は、amazonで予約注文をした。
ちなみに、僕が予約注文を活用するのは初めてだ。
それくらい、この本を楽しみにしていた。
こんなに楽しみにしていた理由は3つあって、
①僕は著者の三浦崇宏さんのtwitterフォロワーで、いつも勉強させてもらっていること。
②そのtwitterで、『言語化力』の発刊を知る数日前、偶然、思いつきで「gengoca.com」というドメインを取得していたこと。(未稼働)
③ ①,②から、「この本は絶対、僕に何かをくれる!」と信じ込んでいたことだ。
『言語化力』というストレートな題の本の中、三浦さんが語る言葉のテクニックに、早く触れたくて仕方がなかった。
ということで、ついに昨日、読みかけの本を脇に置き、(こんなことも普段はしない。)配送されたてホヤホヤの『言語化力』のページを開いた。
【序章】
まず驚かされたのは序章の長さだ。
全286Pの本書にあって、序章は56Pまで続く。
序章("はじめに"を含み)が本書全体に占める割合は、驚異の19.6%だ。
それでもページをめくり進めるにつれ、このボリューム感にも納得させられる。
なぜなら、「『言語化力』の本質」が、この序章で語られている内容にあるように思えたから。
『言語化力』
その本質はたぶん、信じる力だ。
もう少し言葉を足せば、「自分の言葉の価値を信じる力」だ。
本書の帯には
君の言葉を、「最強の武器」にする方法
とあるが、まずは自分の言葉が「武器」となることを認め、信じ、それを手に取らなければ何も始まらない。
そこに必要とされる勇気や信念は、まさに”力”だ。
僕がこの本のテーマとして期待していた、言葉を上手く扱うためのテクニックや方法論のような、『言語化”術”』ではない。
僕がいままで『言語化力』だと思っていたものは、いわば『言語化”術”』だった。
【1~4章】
序章を経て、僕がこの本を読む目的は「自分の言葉の価値を強く信じられるようになること」に再設定される。
そしてその”目的”を達成するために僕たちに与えられる”手段”が、1~4章だ。
僕が当初求めていた『言語化”術”』は、ここにある。
それも、めちゃくちゃ丁寧に語られている。
でも、いまの僕にとって、ここはもう”最終目的地”ではなくなっている。
言葉にまつわる様々な視点や考え方を身につけることはあくまで、「自分の言葉の価値を信じる」ために必要な”プロセス”であって、強力な”手段”だ。
僕たちは本書を読み進めるにつれて、
自分が
・言葉にできる(1章)
・印象に残る言葉を作れる(2章)
・言葉で人を動かせる(3章)
ということについて、理解と自信を深めていく。
そうして磨かれた言葉の持つ力については、4章で改めて言及されている。
4章は、こんなフレーズで結ばれる。
この言葉を、信じてみてほしい。
そこから、あなたの人生が始まるはずだ。
本書のメインである1~4章で語られたのは、
(僕の言う)言語化力を手にするための(これまた僕の言う)言語化術だ。
そうして形作られた自分や誰かの言葉を信じることから、僕たちの世界や未来が作られるし、僕たち自身の人生が始まる。
【あとがき】
序章と同じくらいグッときたのが、この「あとがき」。
ぼくは今もこうして原稿を書いている。売れたらいいなってほのかに期待しながら。そして、あなたに届くはずだと、祈りにも似た確信を持って。
自分の言葉の力を信じる。言葉が誰かに届くことを信じる。
たぶんそれが、今の僕にとっての、今の僕のための、『言語化力』だ。
読書感想文のおわりに
僕の予想と期待を軽やかに飛び越えてしまった『言語化力』の内容を、僕自身に向けて、いまの僕なりに言語化してみた。
たぶんこの言語化の結果は、他の誰とも違っていたって構わないし、明日や来年、10年後の僕自身と違っていても構わないはずだ。
いつかまた、いつかの僕のために、この本の内容を言語化し直す日が来るのだと思う。
その時、僕が自分の言葉で作る世界が、未来が、ワクワクするものであるように、今からまた頑張ろう。
そんな風に思える本だった。
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