【映画語り】花束みたいな恋をした
人に勧められて、今更ながら「花束みたいな恋をした」を観ました。
2021年の映画で、当時めちゃくちゃ話題になっていたかと思いますが、
その時は邦画の恋愛映画に抵抗感があり、完全にスルーしていました。
しかし、遅れること3年、飽きることなく一気見してしまいました…。
こすぐ観ておけば良かったと後悔しながら、現在も余韻に浸っています。
あらすじ
麦を演じるのは菅田将暉、絹を演じるのは有村架純。
最初は「有村架純がかわええ!」という感じで観ていましたが、
どこか大学時代の自分とも被る部分があり、懐かしく感じました。
ミーハーな人は知らないであろうニッチな音楽や映画を知っている自分。
少し拗らせた2人のやり取りを見て、大学時代の恋愛を思い出しました。
2人が出会う2015年、僕も当時大学生でしたし、サブカルが好きでした。
その後二人は付き合い、大学卒業後はフリーターをしながら同棲、
就職活動、就職を経て関係が変わっていく様子は胸が痛かったです。
子どもから大人へ変わっていく二人が、
大学~社会人にかけて恋愛をしてきた人には刺さります。
自分も滅多刺しにされました。
これを観て、恋愛って難しいよな~と月並みの感想を持ちました。
麦(菅田将暉)が就職をして忙しくなったことがきっかけで、
2人の関係にすれ違いが生じることになります。
最初は「絹ちゃん(有村架純)にそんな態度とる!?」と思いましたが、
麦は絹との将来も意識して、生きるため/これからも一緒にいるためというプレッシャーの中、必死に社会で戦っていたわけです。
同じ男として、サラリーマンとして痛いぐらい気持ちは分かります。
とはいえ、あれだけ態度にハッキリ出せるのは凄いですね。
かくいう絹ちゃんも無神経な言動が多々あり、
極めつけには「給料下がるけど、やりがいのある仕事(派遣)をしたい。もう今の職場には言った」と麦に伝えます。
麦からすると「初めての情報しかないんだけど…」と困惑します。
そりゃそうだ、家賃だって払わなきゃだし、同棲しているのに相談もないなんてことあるか?となるわけです。
その後の麦の発言は頂けないですが、絹ちゃんも麦に対して不満や不安があったとはいえ、どうかなと思いますね。
でも、長く付き合ってくると雑になってくるのも共感出来ます。
僕も4~5年程度付き合ったことがあるので分かりますが、
やはり付き合いが長くなるとどこか大振りになってきます。
今まで使えた小技を使わなくなってしまうんですが、
言って良いこと悪いこと、やって良いこと悪いこと、
やはり一定のラインは超えないように意識する必要があります。
よく観た人に「付き合っている人がいるなら見ないほうが良い」とか、
「ハッピーエンドでもバッドエンドでもない」とか、色々感想を聞きます。
どんなやねんと思ってましたが、僕的にも「まさにそう」でした。
どちらかと言えばハッピーエンドなのかな?と思いますが、
長く付き合えばそれが幸せでもないし、なんとも難しいです。
出会っていたからこそ、今の自分の価値観も形成されている部分もあるし、
今の恋人に優しくすることもできるわけだし。
人間は自分が経験した以上のことは出来ないんですよね。
麦と絹の両視点から描かれていて、恋愛映画っていうよりも、
ヒューマンドラマとして僕は観ていました。
あと僕に響いたのは、それこそ大学時代に流行っていた
きのこ帝国「クロノスタシス」を絹ちゃんが歌っていたことです。
絹ちゃんがクロノスタシスの意味を説明してくれて長年の謎も解けました。
いやはや、年甲斐にもなく、そして今更ながら、胸が締め付けられました。
僕と同じような感じで観ていない方がいたら、
騙されたと思って是非見てみてください。その2時間無駄にならないです。