偶然
排気ガスに塗れた浄土、空間を切り裂くカラスの鳴き声、ランダムに選んだ世界で、培養された脳が生み出した幻想たる現実というものを、崇めているだけの旧人類、面影も破棄して、かけがえのないものですら、思う事により、見せつけられていただけに過ぎないという、幻覚に囚われては、数々の運命も、決められていた事だったのかと、意気消沈しては、正気すら保てずに、立場を利用しては、理性すら保てずに、たちまちに現れる憎しみの道具になり、偶像である事に気付いたとしても、気付く事により、傷付く事を恐れてばかりいて、徒に過ぎ去るだけの、過ちや誤りばかりの日々の中で、達成感すら、与えられたものであるし、あらゆる義務により、加工された現実に隔離されては、あたかも自由であるかのように謳われるものを、信じている限りは、幸せなんてものは、やって来ないのであるし、あらがうほどに、食い込む値により、決められたコマンドを放つ電気的な信号により、快か不快かを決められているだけに満たないのであるし、あらゆる偏見がもたらす腐敗や、複製されるだけの道理なんかを超越しては、あらゆる理由がもたらす品位なんかに騙されっぱなしであるし、ここで引き裂かれて行く理由の流動性や、整合性を謳う国家的なプロパガンダや嘘に塗れた社会の中で、真実なんてものは、想定する範囲内から抜け出せずに、打算的な答えに至るだけであるし、あらゆる変化を否定しては、ゆるやかに死に近付いて行くだけの日々から逃げ出したとしても、決められたものに巻き込まれては、今に手懐けられてしまい、そこで、痺れては、身動きすら取られなくなってしまい、強制終了され、感じられるものや、考えられる事すら、操作されている事に気付かぬままに、自らの終わりを、他者により、決められるがままに、受け入れてしまう事に反するために、次々に裏切り、裏通りを進み、荒んだままに、あらがい続ける。