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沐浴

月夜の晩を食べて大きく育った子供たる威厳を保つための、戦争をグルーミングする猫たちの質量を計測する、学者たちの伴侶の半径数キロメートル圏内が、立ち入り禁止になるような現象による足枷を外し、倦怠感を抱えた学校から抜け出した少女たちの焦燥感を、詩に変換するために、大学まで出たのに、データなんかにがんじがらめになり、立派な大人になるために、満員電車に乗り、利己的な彼や彼女たちの奴隷になり、少ない稼ぎのために、自らの時間を売るのだと、納得させられている辺りに、散りばめられたメタファーにより、絶滅した恐竜たちが蘇って、未熟なセオリーを出すレストランで見る花火や、極彩色の花を孕んだ行方不明の過去や、量子的な加速により、過負荷を引き起こし、燃え盛る燃料の上で、正気を失い、奪われるだけの日々の中で、常用する論理に縋り、拙い意味の中で拘束され、ささやかな幸せですら、そこかしこですれ違い、粛清の雨に濡れ、理性もない連中の道具になり、偶像崇拝を続けるだけの、粒子加速器に詰め込まれた憂鬱が、やがてブラックホールに変わり、関わるほどに煩わしくなる人間関係や、災厄を舐るアリクイの群れや、抗うほどに拗れて行く動機や、妨げられるほどに燃え上がる恋や、フレキシブルな言葉の端々をホッチキスで止めて、貞潔を守るための闘争や、甲状腺に絡まる蔓や蔦や茎、犠牲的な想念を温める鳥や、わかりきった言論統制を、未だに行おうとするメディアのクソ、この世界を翻訳するために、この命は、何度でも蘇るのである。

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