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風景

同じことの繰り返しの先に生まれた静かな愛、筋書きをかき消すほどの風に吹かれて、夢の派生物を拾い集める過去にとどまる君の後ろ姿、紊乱な奴らの屍肉を貪るコンドル、分離して行く水と油みたいだね、と笑う君の角膜に住まう私のエゴ、迎合されるだけの毎日に、正しさなんてものは、死滅したのだと、悲しむ人々の墓地を越えて、延命器具を外し、言葉もわからないままに、彷徨う辺りで得るものなんて、退屈なまやかしであるし、体系化されたものが打ち出す物語の中で卑下する理由や、姿形を保つためだけに、愛した理由などを引き延ばす先々では、現れた理由に、理不尽に差別され、あてがわれた意味により、規範なんかを謳う奴らの思う壺になり、担う意味により、歩けなくなってしまう君や、瞬く間の日々の中では、確かなものすら、足枷になってしまい、身動きもとられなくなってしまうだけだし、そこで、惰性に受け取ったものが重荷になり、横暴な支配を受け入れ、経過していくほどに食い込む罪のようなものにより、そこから動けなくなってしまう事で、現れた値なんかが、横暴に今を支配し、縛られる事でしか、生きた実感すらも、わからなくなってしまうような毎日の中で、刺激ばかりを追い求め、快楽の傀儡として、システマチックな今に迫る泡沫の自由に振り回され、運命などという決められたものを崇めてばかりいるから、何かを恨んだり、羨んだりするだけなのかと、落胆している暇もないから、今に分裂していく現実を破壊し、蔓延る悪意を超越して、厭世観に引き戻されるだけの、あらゆる悲劇を想定して、あらゆる散漫な忘我に住まう孤独を称賛し、残骸と化するだけの明日に備わる美しい瞬間を収めるためだけに、この不自由な器たる身体が、あたかも存在しているであり、培養され産まれた私たちの、選択すら、決められたものである事も知らないで、運命が何だと、誤魔化さないようにする事だけが、唯一生きる事にすら反する事なのだと知る。

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