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『売上を、減らそう。たどりついたのは業績至上主義からの解放』

こんにちは、キャリアコンサルタントの東 公成です。

京都で1日100食限定で高級国産牛ステーキ丼ランチを提供する「佰食屋(ひゃくしょくや)」というお店があります。

私がお勧めするキャリア本は、その創業者 中村朱美さんが著した『売上を、減らそう。たどりついたのは業績至上主義からの解放』です。

なぜこの本がキャリア本なのか? 単なるビジネス本ではないのか?

いえいえ、この本はキャリアコンサルタントである私の「生き方、働き方」観を大きく変えた本なのです。

さらに、この本は「女性が管理職になる障害を取り除くヒント」にあふれる、mezameとしてお勧めしたい本でもあります。

高級国産牛ステーキ丼を提供する「佰食屋」とは?

佰食屋は、高級国産牛ステーキ丼ランチを1日100食しか提供しません。100食売り切れたらその日の営業は終わりです。あまりにも美味しいので行列ができるお店です。しかし、100食位以上提供してもっと売り上げを増やそうなんてことはしません。美味しいステーキ丼100食を提供して、利益を出し一日6時間勤務で従業員に年収600万円の給与を支払うビジネスモデルです。(100食を売り切るため食品ロスも出ません)画期的なビジネスモデルゆえ、マスコミにも数多く取り上げられ、また中村さん自身も2017年に「新・ダイバーシティ経営企業100選」に選出。2019年には日経WOMAN「ウーマン・オブ・ザ・イヤー2019」大賞(最優秀賞)を受賞されています。

なぜ私の「生き方、働き方」観を大きく変えたのか?

以前より、日本の長時間労働は国内外から指摘を受けてきましたが、それだけでなく日本の労働生産性についてもさまざまな指摘を受けています。
労働生産性とは「従業員1人あたり、または1時間あたりに生み出す成果」ですが、実は私は、日本が諸外国から生産性の低さを指摘される理由が理解できていませんでした。

起業する前、私は外資系電子部品メーカーに30年ほどいて、そこでアメリカ人、イギリス人、オランダ人、ベルギー人と仕事をしてきました。そこでの実感として欧米人の生産性がそんなに高いとは思っていなかったのです。

【関連記事】
私のこれまでのキャリアについて触れている記事です。

しかし、外資のサラリーマンを卒業し、起業して『売上を、減らそう。たどりついたのは業績至上主義からの解放』に出会い、「欧米人の生産性がなぜ高いと言われるか?」の答えを佰食屋のビジネスモデルに見つけました。

美味しいステーキ丼ランチ100食を提供して、利益を出し一日6時間勤務で従業員に年収600万円の給与を支払うビジネスモデル。

残業しないでこれを達成できていること。
つまり生産性が高いということ。ヒントも答えもある。

ここに私の「生き方、働き方」観を大きく変えたものがありました。

佰食屋に学ぶ「日本人の働き方を変える」2つのヒント

【ヒント1】
「行列ができるほどの美味しいステーキ丼」という商品
は、付加価値の高い商品やサービス作りの結果として生まれます。
付加価値の高い商品やサービスは、付加価値の高い人から生まれます。そのためには働く人は勉強して自分の付加価値をあげることが大事です。

外資時代を振り返ってみると、欧米の仕事仲間には、働きながら大学院に通って学位を取得している人が多くいました。とくに大きなチームを率いるリーダー達は、軒並みMBAか大学院での学位取得者でした。彼らは自分の価値をあげる努力を怠っていなかったのです。

【ヒント2】
「100食で打ち止め」という覚悟をもった発想
は、

① 商品やサービスの希少価値を高める だけでなく、
② 働く人に残業を強いない ことにもつながります。

日本の多くの企業は、売り上げを際限なく伸ばそうとしています。
売り上げを際限なく伸ばそうとすれば当然コストもかかってきますし、そのコストの多くは人件費です。そこには残業代も含まれています。残業代をカットすればブラック化します。

しかし佰食屋のように覚悟を持って「100食で打ち止め」という発想に転換し、行列のできるステーキ丼から上がる高い利益を従業員に年収600万円の給与を支払うモデルを構築すれば、生産性は上がり、さらにお客様も、従業員も喜びます。

管理職志望の女性を増やす可能性をもつビジネスモデル

残業前提の働き方からの脱却が拡がれば、管理職となる女性が少ないという問題を解決する大きな原動力となると私は考えます。

以前、noteで「女性が管理職になる意欲を奪うもの」はイエにある」 という記事を書きました。

もちろん女性の皆さんは、管理職になる意欲を奪うものはイエだけでなく、会社にもあるとお感じになっていることでしょう。

多くの会社では、管理職を志向する女性に暗黙のうちに男性的な働き方、つまり残業を前提とした長時間労働を強いているのです。

利益をしっかり確保する一方、残業が無く定時で帰るモデルは、女性だけでなくワークライフバランスの観点から男性にも良いモデルです。

会社にとって業績は大事です。しかしそこで働く人の生活を犠牲にした「業績至上主義」に陥ってはいけないと考えます。

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今こそ、佰食屋のビジネスモデルにならおう!

佰食屋のように残業がなくても高い生産性が出せるモデルに日本の企業が移行できれば、そしてもちろん家庭において夫が家事に積極的に参加すれば、管理職となる女性は増えるとmezameは信じています。

女性の管理職を増やすことは、多様な視点を持つことにも繋がり経営判断の精度が上がります。

『売上を、減らそう。たどりついたのは業績至上主義からの解放』から学んだ佰食屋の思想は、私のビジネス観だけでなく、キャリア観にも大きな影響を与えてくれたと実感しています。

■ 文/東 公成(あずま・きみなり)
国家資格キャリアコンサルタント、DiSC認定トレーナー、プレゼンテーショントレーナー、女性の健康経営アドバイザー


“mezame”は、
はたらく女性の健康とキャリアを
サポートするプログラムです

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さんぎょうい株式会社提供する“mezame(めざめ)”は、産業保健師と国家資格キャリアコンサルタントがタッグを組み、

*健康知識とキャリアプランニングの基礎研修
*個別のキャリア面談によるモチベーションアップ
*ライフステージ別・職級別の健康とキャリアを考えるセミナー 等

をおこなう支援プログラムです。

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