知的生命体の義務
チキンラーメンの匂いがする、
もう晩御飯の時間ですか。
いつからなのか、
着たい服を目の前にした時、
私より似合う人を想像して
悲しくなって
涙が出てくるようになったのは。
何を見てもパッとしなくなったのは。
空を飛んでいるもの、
咲いている花よりも、
地面に落ちているゴミを多く覚えているのは。
そんなことを考えながら歩いていると、
もう全てが悲しくなって、
外なのに
泣いてしまいそうになります。
赤子の泣き声が聞こえるように、
私もああいう風に泣きたくなります。
道行く人の肩をどつきたいし、
でも、
一番は泣きたいです。
思考を停止したいです、
考えなくていいよ、
考えるのを放棄していいよ、
でもそうすると、
知的生命体に産まれた意味が無い。
役目を果たせない、
見えないものを見ようとして、
いないものを信じて、
そこにいるかのように崇めて、
手を合わせて、
そうしないと
知的生命体でいる意味が無い。
奪われてしまう、
この立ち位置を、
今も狙っている、
考えを持たない、
野性的な何かに、
奪われてしまう。
助けて、
常に逃げている、
だから、
私の意味を奪わないでくれ、
お前の場所はここではない、
帰ってくれたまえ、
と思いながら生きています。
見えない何かと戦うのもうやめたいです、
見えない何かに縛られるのは
もうコリゴリです。
見えない何かに取り憑かれるのは
もう勘弁です。
見えない何かも私が作り出した
何かなのではないか、
ということは、
これに縛られている限り、
知的生命体としての義務を
果たしているのではないか。
でも、
苦しみながらなんて嫌だよ。
どうせなら
お姉さんのこと考えて義務を果たしたいよ。
お腹すきましたね、
チキンラーメン食べます。
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