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散歩中のあられは痛いよ。

つい先日、犬の散歩中にあられが突然降ってきた。それも、尋常じゃない量がドバーッって。

11月に入ってから急激に気温が下がり、すっかり冬めいてきており、いつ降ってもおかしくない状況ではあった。ただ、バケツをひっくり返したように降ってくるとは夢にも思わなんだ。

傘を持っていなかったし、周囲に雨宿りをできそうな場所なんてない。なんてったって、ここは限界集落なんだぜ。視界を埋め尽くすのは山・山・山。そして、山あいには、申し訳なさそうにポツポツと家が建っている。

仕方がないので、弾丸のように降り注ぐあられを全身にうけながら、小走りで家路を急ぐ。こんなに悪天候なのに、犬はいつものマイペースさを決して崩さない。あられに動じず、道路の上を行ったり来たりしながら、あちこちのにおいを嗅いでいた。

風邪でもひかれたらさすがに困るから、半ば強引にリードを引っ張り、家へと先導する。最初は抵抗していた犬だけれど、僕があまりにしつこく引っ張るもんだから、途中からいうことをきくようになった。

あられは途中で雨に変わった。容赦なく体温がもっていかれる。風邪でもひいたらえらいこっちゃやで。

10分ほどで無事に家に着いた。犬の全身をバスタオルで丹念に拭くと、嬉々として左右に尻尾を振る。

雨があられになった。あられが雪になるのも時間の問題だ。
雪のなかの散歩も楽しみだね、うん。

冬がやってくるまで、もう少し。


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