わすれることのよさ。
ドラマのTRICKが大好きだ~。
もう完結してから随分経つけど、今でもたまに無性に見たくなっちゃうくらいお気に入りのドラマだ。
もともとそんなに律儀にテレビドラマを見るほうではないんだけど。
むしろ、洋画の方が大好き人間なんだけど。
これだけは劇場版、番外編、ドラマシリーズ含めて全作見ているほど大好き。
超売れっ子マジシャンを目指す山田奈緒子と、日本化学技術大学の教授である上田次郎の凸凹コンビが、毎回怪しげな村に行って、そこを統べている霊能力者のインチキを暴くというストーリー。
「お前のやったことは、するっと!まるっと!ごりっと!お見通しだ!」
のセリフがとっても有名。??
舞台は横溝正史が書きそうな不気味で怪しげな村であることが多く、一見ホラー作品みたいなフリをしている。
小学生の時、「面白いから一緒にみようよ!」と誘った友達は、「怖いからいや」と頑なに見ようとしなかった思い出がある。
でも、実態は油断も隙もないくらい、随所にギャグが散りばめられていて、最高に笑っちゃう作品だ。
主演を務めている仲間由紀恵と阿部寛のすっとぼけた掛け合いが面白すぎるし、敵役として登場する俳優さんたちも、どこかリアルをいじられていて、ドラマなのに思いっきりふざけているように見えてくる時がある。
なんとなく年末のガキ使で垣間見る「え、あのひとが!あんなことやるなんて!」みたいな笑いと似ている。
霊能力に見せかけたトリック、言葉遊び、しかけ、漫才のような会話、癖のある演技。シリアスで真面目なシーンもちゃんとある。深さはないけど、それでけっこうちょうどいい。
もう最高にくだらなくて、なにも考えたくない時とか、疲れているときはとても良い癒しになっている。
よくこんなことが考えられるなぁ~と笑いを通り越して、感心する。
あの完結をみたら、もう続編は出ないよなぁ…もう散々見ちゃったしなぁ…
新作が出ないことを残念に思いながら、久々に懐かしい気持ちで劇場版を見てみた。
すると、これが、意外にもけっこう忘れていて。初めて見る感覚、とまではいかないけど、所々吹き出したり、声を出して笑ったり、とても新鮮な気持ちで楽しめたことにちょっとびっくりした。そして嬉しかった。
時間がどんどん流れて。
初心の気持ちとか、やる気とか、何かを忘れてしまうことって、なんだか寂しかったり、くやしかったり、落ち込んだり…切ないとか儚い気持ちになることもあるけれど。
いまもう一度手にしてこんなに、初めて見るように思いっきり笑えるなら。
何かを忘れてしまうことも、悪くないのかもしれない。