ファシリテーションを武器にする
Facilitation - ファシリテーション
「会議を円滑に進めるスキル」として使うことが多いように
感じます。
頭のFaciliは、ラテン語でeasyを意味しており、
「容易にする」「円滑にする」「スムーズに運ばせる」が
もともとの意味です。
そのため「ファシリテーション」とは、
周りの人々の相互作用を支援し、
活動が上手く運ぶようにする「スキル」
として定義することができます。
「スキル」なので、生まれ持ったものではなく
意識と訓練で身に付けることができます。
また、
△ その会社でしか、通用しないスキル
ではなく
◎ どの会社でも、独立したとても通用するスキル
のため、身に付けると強い武器になります。
今回は、
✅ ファシリテーションはどのような場面で役立つのか?
✅ ファシリテーションにどのようなメリットがあるか?
✅ 具体的に、どのようなスキルが必要か?
について、考えていきます。
※ ファシリテーションについては、
様々な本が出版されています。
今回は「読みやすさ」「取っつきやすさ」の点で
以下を参照しています。
「支援型」のリーダーシップが求められている
組織の立ち上げ時期は、
ビジョンを示し、組織を方向づける
「先導型」のリーダーシップ
が求められます。
かけられる稼働量に限界があるため、
リーダーの強い意志のもと
「選択と集中」が必要だからです。
組織が大きくなってくると、
計画を立て、組織をマネジメントする
「管理型」のリーダーシップ
が求められます。
組織を安定させ、効率的に動かすことが必要だからです。
これらは、全く違うように思えますが、
どちらもピラミッド型の組織構造で実現します。
ファシリテーションが活きてくるのは、
この上下関係がベースの体制よりも、
フラットに、協同を促進する場面です。
いわゆる
「支援型」のリーダーシップ
により、真価を発揮します。
組織構造にも、組織のフェーズにも関係ないので
どんな組織でも、必要不可欠なスキル
であると言えます。
また、上下関係に関係なく発揮できるので
どんな立場でも、身に付けることができるスキル
であるとも言えます。
ファシリテーション実践の効果
△ 全員の意見を平均的に取り入れた妥協案
△ それっぽい落としどころ
を見つけるのは、
ファシリテーションの本質ではありません。
◎ 全員の意見をもとに、相乗効果を発揮した
アウトプットを発揮すること
がファシリテーションの真価です。
ファシリテーションを実践することにより、
① 相乗効果を活かし、高い成果を生み出す
② 納得感を高め、やる気を引き出す
③ メンバーの自立性と協同性を育む
といった効果を得られます。
個人でできることには、限界があります。
チームを連携させ、メンバー同士の相乗効果を発揮することで
より高い成果を生み出せます。
活動への納得感を高めることで、
メンバーの当事者意識を高めることができます。
自発的参加により、モチベーションの向上にも効果的です。
これらの実践により、自立性と協同性を両立することができます。
自ら考え、周りを動かすメンバーが増えることで
変化に強い組織が出来上がります。
ファシリテーションに必要な4つのスキル
✅ 「場のデザイン」のスキル
ー 場をつくり、つなげる
✅ 「対人関係」のスキル
ー 受け止め、引き出す
✅ 「構造化」のスキル
ー かみ合わせ、整理する
✅ 「合意形成」のスキル
ー まとめて、分かち合う
「場のデザイン」のスキル
話しやすい場をつくる…という意識だけでなく
どのような成果を生み出したいかによって
パターンを使いわけていくことが大切です。
ビジネスの場でよく目にする
課題設定→要因分析→戦略立案→アクション決定
といった「課題解決」のパターンだけでなく
目的共有→条件設定→施策立案→アクション決定
といった「目標達成」のパターンや
提案→審議→代替案→決定
といった「同意形成」のパターンも有効です。
「対人関係」のスキル
「聴く力」と「訊く力」が大切です。
「聴く力」でそもそもの意見を引き出し、
「訊く力」で深堀りしていきます。
単に「聴く」姿勢を整えるだけでなく、
どのように質問するか?
どのタイミングで質問するか?
といったテクニック面を鍛えていくことも有効です。
「構造化」のスキル
各意見のロジックを整理し、
議論を「見える化」していきます。
整理には、フレームワークが有効です。
フレームワークを当てはめると、
議論の方向性が限定されてしまう面もあるので
・ どのフレームワークを
・ どのタイミングで当てはめるか?
が力の見せ所です。
「合意形成」のスキル
多数決が、最善とは限りません。
納得感のある合意形成を行うには、
決め方を決めてから、決定する
ことが大切です。
意見の衝突自体は、決して悪いことではありません。
健全な対立を上手くコントロールしていくことにこそ
ファシリテーションの本質があります。
最後に
こんな時代だからこそ、
組織の活動・コミュニケーションを円滑にするスキル
の有無が、顕著になってきています。
対人関係だけを鍛えても、問題解決だけを鍛えても
ファシリテーションの力は発揮できません。
ファシリテーションは、
聞いたことはあるが、本格的に取り組んだことはない
ものの代表格です。
読んでいただいた皆さんが
ファシリテーションへの取り組みを本格始動する
起爆剤となる記事になっていれば、幸いです。