大阪公演初日感想/音楽劇『逃げろ!』~モーツァルトの台本作者 ロレンツォ・ダ・ポンテ~/20230217
渡邉美穂さんが出演された『逃げろ!』大阪公演初日を見に行ってきました。
演劇を観るのは、ご時世もあってかなり久しぶりのことでした。
時代背景は18世紀、モーツァルトの台本作家ダ・ポンテを主人公に据えた音楽劇で、モーツァルトの三大オペラ『フィガロの結婚』『ドン・ジョバンニ』『コジ・ファン・トゥッテ』の台本を書いた彼の成功とその後を描いています。
一応ネタバレ無しで感想を書いていきますが、気になる方は舞台を見た後でお読みくださいね。
全体的な感想
観客の9割5分は女性のお客様でびっくりしましたが、こんなイケメンで演技も歌もダンスも上手い方々が出演なら当然ですよね。
バンドの生演奏は迫力があって素晴らしく、まさにロックオペラ。
演者のみなさんはそれぞれ一人ずつ存在感が素晴らしく、息の合った演技を見せてくれました。
特にダ・ポンテとモーツァルトの軽妙な掛け合い、そして真剣なやりとりは、才能ある舞台俳優二人の才能の高め合いを目の当たりにしている感動を覚えました。
舞台演出的には、演者の出ハケもこんな方法があるんだ!と目からウロコでしたね。
退屈するヒマなど無く、怒涛の2時間でした。
終演後はスタンディングオベーションで拍手が鳴り止みませんでした。
初めての経験です。
各出演者の感想
ダ・ポンテ 橋本良亮(A.B.C-Z)
さすがジャニーズの方、カッコ良すぎる!とため息が出ました。
歌声とダンスもキレッキレでした!
セリフ量の多さにも関わらず淀みなかったのもさすが。
佐藤さんへのツッコミも冴え渡っていました。
モーツァルト 佐藤流司
この方も歌もダンスもキレキレ!
一番滑舌良く、セリフが無理なく耳に飛び込んできました。
おとぼけと刹那的な生き方を行ったり来たりする天才感をこの上なく上手に表現されていました。
橋本さんとタッグを組んで丁々発止のやり取りが面白い!
バレッラ 弓木大和
声と表情で一途さが伝わってくる瑞々しいお芝居でした。
実年齢より若いと思われる少年の役を無理なく表現できていました。
後から調べたら乃木坂46弓木奈於さんの弟なんですね!びっくり!
ラザロ 内河啓介
メイクや衣装・話し方も相まって、非人間的さを感じさせる演技、そして話が進むにつれて、ある種の怖さがじわじわと伝わってくるような怪演でした。
古代中国の宦官のような印象を受けましたね。
カサノヴァ 細見大輔
完璧なイケメンから少し外しているがゆえの、人懐っこく、女にモテる感が良く表現されていました。
洒落の効いた演技でこの舞台でのトリックスターでした。
脚本とアドリブの境目がない感じが素晴らしい!
サリエリ 篠井英介
映画『アマデウス』で描かれたサリエリとはまた違う人物像を描くことに成功していました。
若い演者さんの中で舞台に落ち着きをもたらす安定した演技でした。
笑えるフレーズも楽しかったです。
ヨーゼフ2世 村井國夫
威厳とお茶目のハイブリッド大御所俳優。
サリエリもそうですが、この方がいるだけでどっしり舞台が落ち着きますね。
茶目っ気のある演技が可愛くて楽しめました。
重厚なバスの歌声も圧巻でしたよ!
渡邉美穂の感想
ココ 渡邉美穂
22歳とは思えない妖艶さでした!
20代後半から30代前半の、酸いも甘いも噛み分けた女性という印象を受けましたね。
ダ・ポンテ、カサノヴァ、バレッラと披露するコミカルな演技は息が合っていて楽しかったですし、シリアスな場面でも落ち着いた演技はさすがでした。
舞台から遠かったのでオペラグラスで見ましたが、状況に合わせて刻一刻と変わる表情演技はアイドル時代以上に素晴らしい。
歌声も、舞台用に発声を鍛えられたのか、中音声の響きが素晴らしかった!
東京公演ではますます演技に磨きがかかるだろうなと、東京のお客様にジェラシーを感じます。
最後に
Twitterでも書きましたが、「100回の練習より1回の本番」という言葉があります。
本番でしか味わえない経験が演者を飛躍的に成長させるという意味合いの言葉ですが、今回、この『逃げろ!』の本番舞台を17回も踏む美穂さんが、舞台女優としてどれくらい進化してくれるか非常に楽しみです。
千秋楽まで完全燃焼で駆け抜けてくださいね!
最後までお読みいただきありがとうございました。
(終)