切り絵作家Shima個展「純喫茶展」
広げた扇子の中央にはお城が据えられ、色とりどりの生き物や小物が配されている。お城の廻りを蝶や薔薇が舞い、黒猫や梟、鳥といった動物たちや金魚がそれぞれのポーズを取っている。和傘に雪洞、打ち出の小槌に一両小判も見える。かと思うと、目玉焼きが載ったカレーやきつねうどん、オムライスまでが、ステンドグラスのような煌めきを放っている。「招福扇」と題された作品である。
これが「切り絵」だなんて。ため息が出るほど繊細だ。そして、Shimaさんの切り絵には、もうひとつ大きな特徴がある。カラーセロファンで色がつけられている影は、水面に反映する夜景のよう。作品と影の両方を見つめていると、扇子のなかに吸い込まれてしまいそうである。
Shimaさんの作品はtwitterで知った。ステンドグラスのような独特の作風の切り絵はほかになく、ぜひ本物を見てみたいとかねてから思っていた。このたび個展があると知ったのは数日前だったが、今日四ツ谷で用事があったので「いまだ!」とばかりに高円寺まで足を伸ばし、会場のギャラリーまで来たというわけだ。https://twitter.com/Shima_cut/status/1630513720781860865
どの作品も、見ていると現実を忘れてしまいそう。可憐で華麗、繊細で不思議、綺麗で素敵、そしてなんといっても可愛くて美味しそうなステンドグラス風切り絵。だれも真似できない世界だ。来てよかった。やはりリアルを見ないとほんとうの彩りと繊細さ、そして作品と影が織りなす二重奏の色の世界はわからなかっただろう。
写真撮影はOKのようだったが「接写NG」だったため、撮るのはやめて作品集とクリアカードを1枚求めてきた(購入してきたクリアカードはうまく撮影できなかったため、トップ画像は作品集と入場特典のカードにした)さて、どこに飾ろうかなぁ。
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