選ばれたタイトル。
本のタイトルが自分を探しているだとか、作品から自分に話しかけてくるみたいな話をよく耳にするが今日その意味が少しわかったような気がした。
"リスタートはただいまのあとで"
なんとなく再生ボタンを押した。
最近自分の中身がいよいよよくわからないでいる。
好きなものを選んでここに立っているはずだが肝心の自分が何処にも見当たらない。
それすらも自分だと肯定は出来るものの、簡単に言えば一旦置いておく感が強い。
この主人公は、「何も中身の無い人間」と言われて仕事を辞めることになるが、これは少し前に自分が自分に対して思ったことだった。
本当にやりたいことは何だ、に直面する。
やりたいことと出来ること、違いは何だ。
唯一無二か、その他大勢か。
向き合うことはそう簡単では無い。自分との会話は永遠と続いていくものだし、出口を探そうとした行動そのものが迷路への入口と化してしまう。
時には幼少期の記憶を辿る。時には辛かった言葉や経験なども全て思い出す。探すために。
学生時代に抱いた違和感みたいなものは全て今の自分に繋がっているのだと思う。
違和感について、それが違和感だったと気付くのはいつだろうか。人と違っていること、変えることの出来ない家庭環境、容姿。
人によって本当に様々あると思うが、それ自体が問題点ではない。それを否定せざるを得ない何かを経験してしまったことの方がフォーカスを当てる部分であり、重要点だと思う。
人は何処か何か欠落している。それを埋める人間もまた何処か欠落しているのだ。
人間味 ー
探しものが見つからないこと、好きなのに嫌ってしまうこと、嬉しそうに泣いていること、心を隠して笑っていること、傷が痛むこと。
それぞれが何一つ同じではない、違うモノを持ち合わせているというのに何故人は分かり合うことが出来るのか。
それは分かり合おうとするお互いの心が存在しているからだと思う。我慢や葛藤をしてまで分かろうとする心が存在している。
とても素敵なことだとわたしは思う。
その中でわたしは、わたしには何が出来るんだろう。
本当の姿や想いに気付いて認めることが出来たこの主人公のように、わたしも心から人と自分を認め受け止めてリスタートをしたいと思っている。