自分の感情には逆らわない
自分の気持ちを抑え込んではいませんか
人前で弱いところを見せるのは、みっともない。大の大人が泣くなんてあってはならない。不安であることを人に悟られてはいけない。こうした考えが、僕の中に確かにありました。
ポジディブに生きると心に決めてから、どんなに辛い状況でも、明るく見せるように意識していました。どんなに悲しくても、普段通りの自分でいることを、ずっと心がけてきたんです。いつしか僕の中にも自信が生まれていました。人前で、みっともない姿をみせない自信です。
ただそれは、頻繁に自分の気持ちを抑え込んでいたんだと思います。
いつしか、抑え込んでいた気持ちは、積もりに積もってしまったんだと思います。だって、意味もなく落ち込んでしまうし、時々ですが、自分ではどうすることも出来ないくらい不安に駆られてしまうからでした。今にも、負の感情が自分の中で爆発しそうな気がしていたんです。
その当時の自分を振り返ってみたんです。
人から、言われた言葉で傷ついてしまった時も、自分の中では、強く否定していたんです。「これくらいでいちいち傷つかない。僕は平気だ。」って。でも、そう思えば思うほど、その言葉がずっと頭の中でぐるぐると駆け回るようでした。ですが、追い打ちをかけるように、周りにいる人がみんな、僕のことを同じように否定的に見ているのではないかと疑うようになってしまったのでした。思うに、僕はその言葉に憑りつかれたのように、意識してしまっていたのではないかと。
どんどん、気持ちが落ちてきて、どんどん気持ちが塞がってきて、心が壊れてしまったのかと思えるくらい、ネガティブなものになってしまいました。嫌なことが嫌と言えなくなって、嬉しくても嬉しいと言えなくなってしまったのでした。
自分の感情に素直になれると前を向くことが出来る
そんなある時に、友人だと思っていた人に裏切られたのです。とても信頼していたのに、僕の悪口を他の人たちに言っていたのでした。もしかすると、僕だけが、単純に友達だと思っていただけなのかもしれません。ですが、とてもショックでした。
その時もまた、悲しみや怒りやらぐちゃぐちゃになった感情を必死に抑え込もうとしました。ですが、僕はミスをしてしまったのです。つい、ぽろっと人前で泣いてしまったのです。その人は、優しく言ってくれたのです。「それは悲しかったね。辛かったよね。」僕を否定することなく寄り添ってくれたのでした。
その瞬間、涙が堪え切れなくなって、僕は思いっきり泣いてしまったのです。
ただ、そこからがとても不思議でした。一通り泣き終えると、凄くすっきりとしたんです。次の日からは、自分でも驚くほど元気だったのです。思いの外、ポジティブな言葉が自分から出てくるのでした。
きっと、自分の感情には逆らわない方が良いのだということです。結局のところ、自分の気持ちを抑え込もうとすればするほど、意識してしまい囚われてしまうのではないでしょうか。気持ちを抑え込むことなんか、出来るものではないのかもしれません。更に、この時は、人前で泣いたことで、その人が悲しみを半分持ってくれたことによって、随分と楽になれたんだと思えるのでした。
しっかりと自分の感情を味わって受け止めてあげた方が、その出来事を受け入れることが出来るのだということです。だから、前を向くことが出来るものです。
それからも、はっきりと明暗を分けたかのように、抑え込もうとした感情は、いつまでも引きずってしまうのです。自分の感情を出しきれた時には、前向きになれるのでした。
ポジティブになるにはどうしたら良いのかと聞かれたら、僕はこう答えると思います。
「それは、悲しい時に悲しめること。自分の感情を受け止めることが出来るようになること。」
そう思える経験をしたのですから。
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今日も自分をご機嫌に。
メルシー