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ゆっくり寝かせたら銀杏の実が美味しくなった

東京では銀杏の葉もすっかり落ち、葉の油分で地面が滑りやすくなっています。
歩く時には注意が必要です。

この時季になると、11月末にいただいて保存した銀杏の実を、そろそろ食べたくなります。

○煎った銀杏の実が好みです

新鮮な銀杏の実は殻の中で緑色に輝いています。「ナッツの翡翠」と言われるゆえんです。
軟らかくふっくらしていますが、私は、しばらく寝かせて緑色が少し黄色く変化し、実がしっかりとして苦みがかったものが好きです。

色々な食べ方がありますが、銀杏の実に限っては、煎って香ばしい香りとともに食べるのが一番だと思っています。
人によっては、殻を剝いてから茹でて食べたり、茹でて冷凍して保存する方もありますが・・・。


その都度煎って食べるのが私流。

フライパンに銀杏の実をひと並びさせて、強火で5分~7分くらい煎ります。
爆ぜるので、蓋や網をかぶせると良いでしょう。

殻がパカッと割れるとでき上り。
そのままでも美味しいのですが、うす塩を振って、つまみとして食べるのもおすすめです。

フライパンでひと並び、強火で5~7分


殻が割れたらでき上り

ただし、銀杏の実の性質によっては殻が割れない場合も多々あって、その時は銀杏割がついているはさみでカットします。

残った場合は、殻を剥いてビニール袋等に入れ、冷蔵庫で数日は保存できますし、冷凍すれば年末年始の料理にも使えます。

しかし、一度冷やしたものは温めてもでんぷんが変化し、ねっとり・ふっくら感は戻らず、美味しいとは言い難いですね。
丁度、じゃがいもや里芋、さつまいもが一旦冷めると温めても戻らず、美味しくないと感じた時と似ています。

 ですから、その都度煎って食べるようにしています。

○銀杏外皮の匂いと実の栄養や毒素

銀杏の木は、各地に街路樹や公園樹で親しまれています。
火に強い樹木のため、景観の他に防火目的でも植えられているそうです。

緑の少ない東京でも、晩秋から初冬にかけて黄金色に染まり本当にきれいです。


木には雄と雌があって、雌木は10月下旬から11月下旬に種子が熟して自然に落下します。その頃が辺り一面臭いのです。

この果種の外皮は、主にイチョウ酸(酪酸)を含むため強烈な悪臭があります。

また、ビロボール(アレルギー物質)等もあって皮膚がかぶれやすいのです。

東京都食品衛生の窓


うっかり直接触れたら大変。
外皮は腐らして取り除き、殻ごと加熱すれば消失します。

私は、この臭いとかぶれが苦手なので、銀杏拾いの得意な知人から銀杏の実を分けてていただいています。


食べる部分は殻の中の緑色の胚乳組織で、栄養と言えば、炭水化物で若干カロテン、ビタミンC等を含みます。
苦みが少々あり、ねっとりした舌触りと風味で後にひかれて止まらなくなります。

ただし、たくさん食べると有毒成分メトキシピリドキシンが脳の神経情報を補佐するビタミンB6の働きを阻害してしまうことがわかっていて、下痢や嘔気が心配されます。

東京都食品衛生の窓

食べる場合は少量にしておきたいものですね。

料理には茶碗蒸しや野菜の炒め煮の添え、カレーに入れる等、少量程度使うことをおすすめします。
少量でも、ほろりとした苦みとホクホク感が料理を引き立ててくれます。

ゆっくり寝かせた銀杏の実に、そろそろ起き上ってもらって、年末年始まで楽しんで食べましょう。


今回もありがとうございました。


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